5軸プリンター Vol2

5軸普及の立役者「工具先端点制御」

前回紹介した動画すごいですよね~、グリグリ動いて・・・
機械を制御するためのプログラムは、どうやって作っているのでしょう?
かなり、難しいそうです
一番重要なのは、回転(傾斜)軸の中心の位置(座標)です
まず5軸に限らず、3軸でも、たぶん3Dプリンターでも・・
工作機械の制御機は、基本的に機械固有の原点位置(機械原点)を
把握しています
加工物の段取りでは、機械原点と加工物原点(プログラム原点)の
位置関係を設定します
たとえば工具を加工原点に持っていって、設定ボタンを押したりすると思います
制御機は、この機械原点と加工物原点(プログラム原点)の位置関係を考慮し
プログラムの指令点を機械原点からの位置に算出して工具を移動させ
加工していきます
ここで、軸を傾斜させた場合は加工物も傾斜してしまうので、切削点は変わってしまいます
傾斜指令を追加しただけでは、思ったように加工できません。
傾斜終了後の切削ポイントへ同時に工具を移動させなければいけません。
難しそうですが機械原点からの回転(傾斜)軸中心の座標が分かれば、
加工物が傾いても切削点を算出できますから、正常な位置指令ができます
昔は、一旦機械に加工物をセッティングしたのち、加工物中心と傾斜軸中心の距離を測定しその測定値を基に、モデル自体を傾斜させ、NCプログラムを出力していました
ようは、実際の機械と加工物の状態をCAD上でも再現していました。
かなり、面倒な作業ですね~
ところが、制御機が進化しました
この傾斜軸の中心軸座標を、制御機に設定しておくことで、プログラムの指令点を
制御機が自動的に変更してくれるようになりました
これが、工具先端点制御機能です
分かりやすい事例として、むか~し撮った動画がありましたの紹介します。

 

これは、通常動作中にでも、手動割り込みが可能になるハイデンハインの機能です
途中で傾斜軸が動き出しますが、これは「手パ」(手動パルスハンドル)で操作しています
このように、「手パ」で操作しても、工具は追従していきます
すごい機能です、重複しますが機械が自動運転している最中に、
ただ傾斜軸をハンドルで動かしているだけです
工具は勝手に、加工物に吸い付くように追従してくれます。
当時この手動割り込み機能は、ファナックにはありませんでした。

(余談ですが、英語では、[Tool Center Point Control]工具中心点制御です。)
(私はこのほうが、しっくりきますが、なぜ先端点なのか??です)
この機能のお陰で、CAMソフト開発側も含めて、5軸のNCプログラム作成が、
非常に楽になり動画のような、グリグリ動かすプログラムも
比較的簡単になりました

5軸、3Dプリンター

さて、5軸工作機械の話が長くなってしまいました、
3Dプリンターの話題に戻りたいと思います
そういえば、5軸3D・・っておかしい感じがしますね。
5Dプリンターのほうが、しっくりくるかな?
5軸加工機のように、いろんな方向から、プリントできれば、
アンダー部やサポート材など考えなくてすみます。
さらに、等高線に積み上げていく現状では、平坦な形状ではどうしても
積層の幅が広くなりプリント面がガタガタになってしまいます
そういった欠点が解消されると思います
もちろん、プリンタヘッドが形状に干渉してしまう事も考えられますが
それは、5軸加工機でも同様です
5軸機では干渉しないような、微少工具や長い工具を使用します
場合によっては、干渉しないように、モデルにフィレットを施す事もあります
プリンタヘッドもいろいろな形状が用意できれば解決できると思います
さらに、現状ある製品に、追加のプリントも可能になりますね
金属に樹脂を追加する事もできるでしょうし、追加プリントの組合せで
組み立てまで自動化できるかもしれません

なんか、いい事ばっかりですよん!
きっと何処かで開発しているはずですよね~

5Dプリンター

このキーワードで検索してみると、おっ!出来てた!
でも、キムタクのTVドラマの「安堂ロイド」に出てきた話らしい
私はこのTV見ていないので、よく分かりませんが、5軸と言うよりも
五次元の意味の、5Dのようですね
ただ、そう言う意味での4Dプリンターは、米軍が研究しているとの記事もありました
そうか「3Dプリンター」の3Dは三次元の意味だったんですかね?
私はてっきり、3軸の機械だから、3Dだと思っていました
そっか、3DCADは、三次元CADか・・・

検索を進めると!あっ、見つけた!

そうそう、こんなイメージです

さらに、検索してみると・・・
中小企業庁のものづくり支援で、研究報告が公開されていました。

中小企業庁:研究開発成果等報告書

ここの上から6項目目
「同時5軸制御Additive Manufacturing(加法的製造)によるLight Weight Structure(計量構造)の実現」
に、資料が公開されていました。

さらにさらに、調べると
もうすでに、製品として、紹介されていました

3Dプリンター

お~、国産だし、これはすごいですね~
何処かの展示会に出展されないでしょうか?見てみたいです
開発メンバーのC&Gコイズミ氏とは、顔見知りではあるので、
なにかの機会に聞いてみたいと思います
で探していたら、やっぱり出展されてたみたいです。
http://www.oi-s.com/business/enomoto20170214.html

それにしても、調べると結構動画が出てきます。
実用化には、まだまだな感じですが、5軸加工機がそうだったように
これからが楽しみですね。
動画をみると、ほとんどが同時5軸で動作しています
そうなるとやはり、ソフト・ハード共にコストは上がってきますね。
サポート材の実験でも、多少のアンダー部は大丈夫だったので
割り出し5軸(回転した後、固定で3軸動作)でもいけるようにも思いますが
エンドミルは刃があれば、形状全体で加工できますが、3Dプリンターは
ノズルからの一箇所なので、同時5軸になってしまうのでしょうか?

5軸プリンター

5軸

3Dプリンターで、サポート材やプリント方向などで、いろいろ検討していると
5軸のプリンターってないのかな?と思ってきました
5軸って、3Dプリンタの業界では、まだ馴染みは少ないでしょうか?

ところで、5軸って・・・?

工作機械では、最近国内でもかなりメジャーになってきましたが
3Dプリンター系のサイトでは、あまり見かけませんね
という事で少し5軸加工機について書いてみようと思います・・
一般的な3Dプリンターを眺めると分かると思いますが、直交している動作軸が3本あります。
3本なので、3軸(X軸、Y軸、Z軸)です
この3軸に、2個の回転(傾斜)軸を負荷した構造が5軸となります
ちなみに、工具の回転軸は含めません

5軸加工機・マシニングセンター

私は、2006年頃から数年間、5軸加工機を触っていた経験があります
当時はまだ、国内製はそれほど多く生産されていなかった時期です
特に、5軸機専用として開発されたマシンは、非常に少なかったです
ほとんどが、3軸機のテーブルの上に、回転と傾斜が可能な機器を載せて
5軸機械と呼んでいました
この時期、社内の新規設備の検討をしていたので、
少し話題になって来た事もあり、導入は全く考えていませんでしたが
情報収集目的でドイツの展示会に行きました

いや~、驚きました。
展示されているNC工作機械で、ヨーロッパ製の7、8割は5軸加工機でした
さらに、5軸はすでに珍しくなく、ロボットや自動ワークチェンジャーを付加して
自動無人化を目指したシステムが多く展示されていました
5軸加工機のメリットとして、いろいろな方向から加工できるというメリットがあります
ブロック材など一面を挟んでクランプすると、残りの5面は一気に加工できてしまいます

非常に、自動化がやりやすい機械です
人件費が高く勤務時間が短いドイツでは自動化は必須の戦略だったのではないでしょうか?。
インダストリー4.0も、そんな背景から必然的に生まれた発想のようにも思えます。
そんな展示会を視察して、日本でも5軸化は必ずやってくると思いました
すぐに会社へ提案して導入してもらい、5軸へ取り組んだのがこの時期です
ところが、まもなく、リーマンショックがやってきました
これには、参った!
国内の展示会でも、徐々に5軸加工機は増えてきていましたし
ボーイング787や、三菱重工のMRJなど航空の部品加工でかなり需要は増えるといわれていました
ところが、航空機の開発は遅れるは、リーマンやらで、加工の仕事は伸びてきません。
そんな状況で、操作やデータ作成が難しく高価な5軸機は、手を出しにくい機械となりました
現在は工作機械業界さんは、非常に忙しい状況のようですが、
5軸加工機や自動無人化に関してはこの時期の遅れもあり、まだまだEUとは差がついています

5軸の構造

上でもちょっと書きましたが、X,Y、Z軸の3軸に、2軸を加えたものです
3軸は、直交軸ですが、2軸は通常回転・傾斜軸となります
X軸を中心とした回転は、A軸。
Y軸を中心とした回転は、B軸。
Z軸を中心とした回転は、C軸と定義されます。
そのどれか2軸を追加した構造で5軸となります
傾斜軸の構造も、いろいろあって、ヘッド(スピンドル)に2軸追加された、
「ヘッドヘッド型」
ヘッドに1軸、テーブルに1軸追加された、
「ヘッドテーブル型」などがあります

有名なダイシンさんのヘルメット・・・

ヘッドがチルトするマシンで加工されています。

テーブルに2軸追加された、「テーブルテーブル型」
「トラニオンタイプ」とも呼ばれています

高剛性と精度が売りのドイツハームレ社のマシン

Cシリーズはすべて「トラニオンタイプ」です

このC50、直径1000mm、高さ810mm 重量2000kgの加工物が載せられる化け物みたいな機械ですから、この蜘蛛もたぶん化け物みたいに大きいのでしょうね!

どの構成がいいのか?

一概には言えませんが、トラニオン型のほうが精度はよいと言われています
斜めに穴を空けるのを想像してみてください。
ヘッドが傾斜しての加工の場合、工具は穴と同じ斜め(最低2軸)方向に動かす必要がありますが
テーブルが傾斜する場合には、テーブルを穴が真下になるように傾斜すれば、
真下に1軸のみであけられます
これは一例ですが、やはり高精度仕様には、トラニオン型が多いです
これに対して、大物・重量物の場合は、テーブルを傾斜させるには限界があります
テーブルはがっちり平らに置いて、ヘッドを傾けたほうが有利です
そんな感じで、大型機には、ヘッド傾斜が多いです。

5軸機の可能性

検索していると、5軸プリンターみつかりましたが
長くなってしまったので、続きは次回にします・・・

最後に、やっぱり5軸機はすごいです
おもしろい、動画が公開されているので、リンクしておきます
お時間あるときにでも、お楽しみください

 

プリミティブ(単純形状)へのサポート方法 Vol5

ひさしみたいな、片持ち形状

今までの経験から、横穴や円柱など、閉じた形状の場合は比較的サポートは必要ない感じです。
でも、片方が浮いているような、片持ち形状は無理だろうな~。

っと言うことで片側10mmぐらいの、ひさしの形状でプリントしてみます

まぁ、これはどう考えても、無理でしょうねぇ

閉じた形状なら、Uターンする時に一旦張り付く場所がありますけど、開いた形状は空中ですからね~

まぁ、予想通り!

自動と手動サポート作成

片方はいつもやってるようにモデリング内に手動でサポート含めてみます。

このモデルを、私のプリンター「FlashForge」のスライサー「FlashPrint」へ持って行きます。

「FlashPrint」には、2種類の自動サポート機能が用意されています。
一つは、【枝状サポート】

枝の大きさなどは、設定変更できますがデフォルトでは、こうなりました。

もう一つのサポート方法は、【ライン】です

こんな感じになりましたが、今までの実験で閉じた形状ではサポート不要だったので
少し手動で間引きました。

スライス!!

まずは【枝状サポート】

【枝状サポート】の場合は、基本的には「ラフト」が必要だとメッセージが出ました。

ただ、「ラフト」は剥がし難い経験があって私はあんまり好きじゃないです。
それに、製品に接触する場所は先細りになって設置面積を小さくするような工夫がされていますがそれでも、しっかりくっ付きそうで簡単には取れないような気がします。

【ライン】のほうは、スライサーが自動サポートの部分は、かなり粗くスカスカに
設定してくれるような感じです。
シミュレーションでみても、反対側が透けてみえています。
ただ、間引くように設定しましたが、画像とは同じにはならないようです。

【自動と手動、左右に分けてプリントしてみます】


プリント終了。

【ラインの自動サポート】は、やはり粗く設定してくれていますね。

裏からみると、よくわかりますねぇ
製品に少し張り付くのは、しょうがないですが、サポート部は簡単に取り除けました
これなら、自動でやらせたほうが良さそうです。
それに、間引き処理もいらなそうですね~

左右とも、自動サポートでプリントしてみました。

スライサーが粗くしてくれるのが良くわかります。
取り外しも簡単でした。

上は、左右とも、自動。
下は、半分自動で、半分手動。
いずれも、面は荒れていますが、ほとんど、変わりません。
これなら、特別な場合を除いて【ラインの自動サポート】でいけそうです。

ためしに、球も自動でやってみる

これなら、球でもいけそうです。

実際に、印刷してみました。

ちゃんとテーブルにも張り付いて、プリントできました。
他のソフトウェアではやった事ないので、分かりませんが、「PlashPrint」結構よくできていますね
使い込んでいくと、いろいろ足りない機能もあるかもしれませんが、入門者が使うには、いいソフトだと思います。

今回の実験でわかった事

  • 横穴や四角穴。閉じた形状で30mmぐらいであればサポート不要
  • 円柱を横倒しにした形状もサポートなしでOK
  • 片持ち形状の場合は、サポートは必要だが、自動サポートで対応できる
  • 球体は設置面積が少なく、サポートなしでは、テーブルに貼り付けないが、こちらも自動サポートで対応できる
  • 「FlashPrint」の場合、幾何学的な基本形状の場合、自動サポートを使用する場合【枝】よりも【ライン】のほうが、使いやすい。

こんな感じでしょうか?
雰囲気的に、アンダー部がある形状の場合、サポートの方法で悩んだりしていましたが、ソフトウェアもかなりよく出来ているので、かなり自動でいけそうです。
そうなると、印刷方向も、アンダーをあまり気にしなくてもよくなってかなり自由度が出てきます。
また、いろいろ作る楽しみがでてきました。

プリミティブ(単純形状)へのサポート方法 Vol4

円柱はどうだろ?

横穴がサポートなしでも大丈夫だったから、たぶん大丈夫じゃないかな

やっぱり、大丈夫でした。
横穴の場合とアンダーになる順序は逆ですが、基本的には同じようなものですね。
ついでなので、手動でモデルにサポートを追加して印刷してみます

こちらも、普通に印刷できました

品質的もほとんど同等です。
横穴と同様に、円柱形状もサポートは不要なようですね

球はどうだろ?

球の場合は、アンダーカットの箇所を断面にみると、横穴や円柱と同等に思いますが
テーブルへの設置面積がまったく違います
図形的には、一点のみでの接触になりますから、多分無理だと思いますが
とりあえず、やってみます

やっぱりグチャグチャになりましたね~

いつものように、サポートも一緒にモデリングして印刷してみます

ちょっと、底の形状が悪いですが、底以外は球っぽくにはなりました。
測定してみました。
横方向は、そこそこの精度で出来ていましたが、
さすがに、Z方向は 0.8mm 程度はコブができていますね~

まぁ、やすりで頑張ればどうにかなるレベルだと思います。

結局穴でも軸でも、サポートなしでいけそう!

丸い形状なら、サポートなしでも、いけそうですね。
ただ、球の場合は、設置面積がない(図形的には、点接触)ので、
テーブルに張り付かず
サポートがないと、プリントできませんでした。
今回は、モデリングでサポートを付け加えましたけど、
次回は PlashPrint の自動サポートでもやってみようと思います。

 

プリミティブ(単純形状)へのサポート方法 Vol3

前回まで横穴形状をやってみて、結構サポートなくてもいけそうなのがわかりました。

長方形穴の場合、どれくらいの幅までいけるだろう?

とりあえず、15mm幅

大丈夫そう!
ちょっと、最初はたわんだりしてるけど、大丈夫みたい。

っと思って外してみると・・・あれぇ~上部にコブが!
途中でのフィラメントが出る調子なのかな?
スロー再生で見てみます

確かに、途中でなにか、グニュッて出てきてますね
たぶん、もう一度やっても同じようにはならないと思うし、
機械の性能でも違うと思います。なにせ家庭用ですからね~
コブは、やすりで簡単に除去できるので、ここはOKとします
では、もう少し、横長にしてやってみます

20mm~30mm では? 結構空中で吐き出す事になります

20mm 25mm 30mm 結構長くなりました。
30mmでは、フィラメントが途中で落っこちそうで怖いです

さすがに、30mmぐらいになると、かなりたるんできたけど、極端にはおかしくならないんですね~

ついでなので、40mm・・・・

がんばってるけど、そろそろ限界かな?!
それにしても、これだけ空中で吐き出して、よく重力に逆らっていますね
印刷スピードとか、冷却とか、工夫すればもうすこしよくなるかもしれないですね

それにしても、閉じている穴形状は、円でも四角でも、結構サポート材なくても印刷できそうですね

プリミティブ(単純形状)へのサポート方法 Vol2

サポートなしではどうなる?

前回は、円穴形状を印刷してみました

円なので、フィラメントが空中に吐き出すタイミングはレイヤーが上がるたびに
狭くなっていきます。
それでなのか?サポートはなくても、大丈夫でした。
じゃ、四角穴の場合は・・・・
今度は、いきなり空中を直線状でフィラメントを吐き出す事になりますね
とりあえず、寸法は前回と同様の、20mm四角で10mm厚のブロックに
10mm四角の穴を開けてみました。
たぶん、フィラメントは垂れてくるだろうな~と思いながら、サポートなしで!

ここまでは、通常印刷です。
ここから、空中にはります。

垂れてこないですね。大丈夫そう。

プリントもなんなく終了。
な~んだ、10mm角ぐらいなら、サポート不要じゃん!
ただ、比較してみたいので、いつもの隙間方式でサポート追加してみます

サポート追加!

こんどは、いつものように、0.6mm隙間のサポートを追加してみました

ここから、隙間付近。
眺めていましたけど、あまりよくわかりませんね。


こっちも普通に完成!サポート材も、手で簡単にポロッと取れました。

印刷面を比較してみましょう

当然ですが、立壁面はほとんど差はありません。

でも、天井面・・空中印刷の部分・・は、予想を反して、サポートなしの右側のほうが綺麗です。

じゃぁ、寸法はどうかな?

ノギスで測ってみます。まずはサポートなしの製品。

ちなみに、ノギスなどアナログ的な測定器には、バーニアという方式で測定します。
ついでなので、ちょっと紹介しておきます
下の画像は、サポートなしの製品の立壁面(横方向)に測っている写真です。
①まず中央の物指しで、主目盛りの下の「0」が指すだいたいの目盛りをよみます
この場合、9mmより大きくて、10mmより小さい。9.5mmより若干大きい感じです
②次に、主目盛りと副目盛りが合わさる目盛りをよみとります
この場合が、7と8の間、7.5ぐらいですね
そうすると、①で9mmより大きくて、下の位(0.1mmの位)が7.5という事になり
「9.75mm 」と測定できます
こんな感じで、ノギスでは、0.05mm の単位までは測定する事ができます
モデルは、10mmなので、私のFinder では、0.25mm程度小さくなるようです。
これが、プリンターの精度になりますね
これは、経験値として、覚えておいたほうがいいですね

同様に、サポートなしの製品の、天井面を縦方向で測ってみます

ほとんど同じ、9.75mmですね
空中を通ったので、面は少し荒れていましたが、寸法的にはそれほど影響はなさそうです。

サポートありの製品

まずは、立壁面(横方向)。

こちらは、サポートなしと同じ、9.75mmです。
ちなみに、設定値10mm よりは、小さいですが、先ほどとほぼ同じ寸法なので、プリンタの精度的には再現性はありそうです。
10mmで9.75mmになるのを考慮して、モデルを作成すれば、そこそこ狙い寸法の製品をプリントできるかもしれません。
つぎに、天井面の縦方向。

う~ん、9.55mmぐらいですねぇ
やはり、さらに面が荒れている分、小さくなってしまっています
サポート材として、0.6mm隙間の形状をサポートとしたわけですが、そいつに引っ張れれるんでしょうかねぇ~?

結局!

前回同様、横四角穴も、サポートなしのほうがいいみたいです。
ただし、円穴の場合は、大きくなっても、空中プリントの部分は、徐々に短くなるので影響は少ないかもしれませんが、
四角の場合は、形状に沿って長くなっていきます
限界はあると思います
とりあえず、今回は、10mmまでの四角穴であれば、サポートなどなくていいいという結果になりました

プリミティブ(単純)形状のサポート Vol 1

横穴形状のサポート

FlashPrint には、自動サポート機能があるのでフィギュア的なモデルの場合には
重宝しますが、丸や四角など、幾何学的な形状のどうしたらいいんだろう?
3Dプリンターを始めた頃から思っていました。

3Dプリンター印刷のサポート方法を考える

この頃から、サポートも製品モデルに含めるようにしています
具体的には、製品形状にアンダー部に、0.6mm の隙間(クリアランス)を開けた形状を
モデルに含めて印刷しています
0.6mmというのは、私のプリンターのデフォルト設定のレイヤー高0.18mmの場合の経験値です。
0.4mm では張り付いてしまって取りにくく、0.8mmでは途中で空振りしてしまいました。
横穴や横ネジもいろいろプリントしてみましたが、0.6mmが今のところ一番いい感じです

20mmの正方形で10mm厚のブロックに、φ10mmの横穴を開けた例です

ちょっと、底付近は、接触してしまい、バリが残りますが意外と簡単に抜けます。
今まで、ほとんど横穴や横ネジなどは、こんなサポート方法でプリントしてます

自動サポート使ったらどうなる?

でも結構面倒なのは事実。
FlashPrint の自動サポートでやってみたらどうだろう?

なるほど・・
だいたい予想通り。
やっぱり、これじゃ、後で除去するのが大変になりそう。
特に、もう少し深い穴になったら、取れないかもしれない?
とりあえず、印刷して見よう!

さて、取り外せるか?

まだ、浅いからか、ニッパで意外と簡単に取れました。 ただ、やっぱり、接続箇所には、こぶが残りますね~。

いっそ、なんにもしなかったら、どうなるのか?

な~んだ、若干上部が荒れてるけど、途中で落ちる事もなく、きちんと印刷できました
ほとんど大差な~し

今回の穴径は、φ10mm
もう少し、違う径で試してみないと分からないけど、横穴は意外とそのまま印刷できそうね~

次は、もう少し違う形状もレポートします。

標準以外のフィラメントは使えるのか?

純正以外のフィラメントに浮気してみた

プリンター購入以来、10ヶ月、ずっと純正を使っていました
それほど、印刷する頻度は多くないので、純正の600g 3000円で
少し高い感じはありましたけど、まぁいいかぁ~でやってました
今までは、ホワイトとオレンジを使っていましたが、昨年秋ぐらいに
ナチュラルを使ってみました
Flashforge Filament PLA 600g ナチュラル – FLASHFORGE JAPAN

たまたまだったのか?こいつがどうも調子よくない。
印刷途中で、出ていなくて空振りしている事がたびたび。
フィレメントホルダから取り出してみると、う~ん、絡んでいます
解いて伸ばしてみても、また途中で絡んでるし、ちょっと引っ張ると
ポキッと折れてしまうことも・・
う~ん、不良品にあたってしまったかぁ?
ちょっと時間が長いのをやる時には、思い切って解いてからやってました
な~んか、ホワイトより折れやすい感じもします
それでも、どうにかかなり使ったので、そろそろ追加注文しようか。
やっぱりホワイトが材質的には、よさそうだったので、ホワイトを注文しようと思いましたが
そうだ!
たまには、違うメーカーのを使ってみようかな!!

HICTOP 3Dプリンター用フィラメント

Amazonで人気だった『HICTOP 3Dプリンター用 高強度 PLA 樹脂 材料 フィラメント【1.75mm】【1kg】 直径精度+/- 0.02mm (ホワイト)』を注文しました

Flash Forge の純正よりかなり安いです。
1kg で 2000円。半額以下ですね~
やっぱり純正じゃないので、場合によっては、トラブル起きる可能性もありますが
2000円なら、で購入してみました

結構でかい。

当然ですが、本体のフィラメントホルダには入りません。
まぁ、外にそのまま置けば使えない事はなさそう!

このままでも、いけそうだけ、印刷中にヘッドに引っ掛るのもいやなので
上側に突っ張り棒を設置してそこを通して引っ掛り防止にしてみました

左側の青色のホースは、元々のフィラメントホルダからのフィラメント。
じゃまにならなそうだったので、このままで印刷してみました。

特に問題な~し!

トラブルもなく普通に印刷できました。
品質も純正と見た感じでは、ほとんど変わりません。
これで、半額なら外置きで格好は悪いけど、いいですね

でもやっぱり、長い印刷をしていると・・・

横置きでそのまま引っ張っていくので、巻き癖で空中で絡んできました。
まだ、実験段階で放置はしていないので、印刷中でもたまに解いてあげれば
問題ないですが、やっぱり横置きじゃ、ダメだねぇ
とりあえず、ダンボールと棒で簡易ホルダでやってみたがが、う~ん・・・・

せっかくの3Dプリンターなんだからフィラメントホルダを作ったほうがよさそうです。

フィラメントホルダ

外径が結構大きいから、全部プリンターで作ると、すごく時間がかかりそう
木っ端があったので、こいつを利用しよう!
幸い私は本体と同サイズの台の上に置いているので、横にぶら下げられます。
プリンタ本体の横に引っ掛けられるようなステーをプリンターで作って
そいつを木っ端に木ネジで留めて
さらに木っ端の反対側に、フィラメントの中央穴に挿入できる寸法のスリーブを作成し、同様に木ネジで留めるようにしました

スリーブの印刷には、4時間半ぐらいかかりましたし、後にも書きますが
スリーブの印刷方向やサポートで悩みましたが、意外と簡単にできました
引張ってみると、付属のものより、回転はスムーズでいい感じ。
使えそう!!

あ~設計ミス!

そういえば、フィラメント取り替える時どうすんだぁ?
う~んスリーブを固定している木ネジ4本をいちいち外すしかないみたいだなぁ・・・

スチールのネジなら問題ないけど、木ネジなので、何回か取り付け取り外しをやってると、バカになるだろうな~
でも、4時間半もかかったんだから、ダメになるまで、このままで行きます
そのうち、また作ればいいや!!

ところで皆さん,こんな形状のサポートはどうしますか?

スリーブ部は、なるべくプリント量を減らすようにと思い、かなり空洞にしました
ただ、フィラメントが抜け落ちないように、外側はフランジ形状にしました。



さて、モデリングも終わって印刷しよう!の段階で、はて??
どっち方向から印刷しよう?いずれにしても、アンダーが出てしまう・・・
サポートしないと駄目だろうな~?
スライサーの自動サポートを使うか?
本来であれば、このフランジ部は、ネジ仕様で別パーツにしたほうがよかったと思いますが、皆さんはこんな形状、どうやって印刷するのでしょう?

私がやった方法は、次回にでも書いてみます

突っ張り棒、サポート

最近、寒いですねぇ~

部屋の壁に突っ張り棒を渡して、上着を掛けていますが、ますます重くなってきています
ついに、先日落っこちてしまっていました

そうだ!3Dプリンターでサポートを作ろう!

突っ張り棒の端の部分を測定すると、40mm×70mmなので、41mm×71mmのボックスを作ろう
そいつを壁に打ち付けるけど、あまり大きな穴は開けたくないので、小さなピン(φ0.7)を使うことにします

Fusion360で設計



φ0.7ピンは、上下6本仕様にしました
さらに、取り外す時を考えて、裏側には隙間を施しました。
ここに、マイナスドライバーなどを突っ込めば、外しやすくなるはずです


こんな感じ、なるべく目立たないように、薄めにしてみました。
いずれにしても、突っ張り棒で押さえつけるので、こんなんで大丈夫だと思います

早速、Finderで印刷



できたぁ!
ピンを入れる穴は、通常プリントすると穴は小さくなる傾向にあるので、φ1.5で描きました
ちょっと、大きかったような気もしますが、ピンの頭は止まるので大丈夫
完成!早速壁につけてみます。
まずは天井と側面壁から、寸法を測って、ちょっと印をつけて打ち込みます

思わぬ、実用的な効果も・・

突っ張り棒って、長くなると重くて、一人で設置しよとするとて反対側がおっこちて、なかなか思うように設置できないですよね~
さらに、水平に取り付けるには、結構大変です
ところが、このサポートを使うと非常に簡単に設定できました
まずは、取り付ける壁にピンで固定するので、きちんと測って印をつければ単独に打ち込むので、簡単に水平に取り付けられます


耐久性は分かりませんが、ピンを6本も使っているので、かなり強いんじゃないか?と期待しています

抜きタップ

ちょっと業界用語的な言葉ですが、機械的な設計をする場合、はめ込んだ部品を取り外す機会がある場合、こんな仕掛けを施す場合があります
これば、前もって、ネジ穴をあけておきます。
通常このネジは使いませんが、取り外す時に、ここにボルトを締めこむ事で簡単に取り外す事ができるようになります
今回の突っ張り棒サポートには、取り外し用として、裏側に空洞を施しましたが、今考えれば抜きタップ仕様にしてもよかったかもしれませんね
今度は、バー載せフックでも作ろうかと、モデリングを始めましたけど、抜きタップ仕様で描いてみました


ゴミ当番札を作ってみた

自宅のゴミ収集場所が新しくなったので、当番札を作って回覧する事になりました。
ダレも手を上げないので、3Dプリンタで作ってみる事にしました

部品構成は、5点でFusion360で設計。皿ネジで締結することにします

パーツは、「ドアに引っ掛けるフック」「60mm角×4個で構成 ゴ・ミ・当・番」
各パーツは、皿ネジで組み立てます


フック部品




ネジはφ3ぐらいなので、フックの取り付け部には、φ4mm程度の穴を開け、本体部のパーツには、2mm程度の穴を開けます。モデル上では特にネジ処理はしないで、直接ネジで切り込む事にします
Fusion360 には、穴コマンドがあるので、簡単に穴をモデリングできます

「ゴ」「ミ」「当」「番」の4部品

一文字ごとに、4つのパーツにしました。サイズは60mm四角。



接続は、四角形の凸凹ではめ込み、横からネジで固定します。フックと同様に外側の穴はネジ径φ3mmよりも大きくし実際に固定する穴は2mmにしました



また、このような文字をモデリングする場合にも、Fusion360 はフォントをベクトル化して簡単に図形データに変換できます。

サポートは?

このような機構部品で、上下左右面に凸凹がある形状は、サポートが面倒です
私のプリンタの専用ソフト、FlashPrint には、自動サポート機能がありますが、このような形状の場合あまりよいサポートではないように思っています
少し面倒ですが、サポートもモデリングしました

さぁ、印刷!





前回のレポートのように、

ガムテープ仕様で印刷してみましたが、やはり一層目でうまく貼りつかない箇所があったのでスティック糊を使用しました

完成!



 

一部品3時間ぐらいかかる大作でした
大切に使ってほしいなぁ~