標準以外のフィラメントは使えるのか?

純正以外のフィラメントに浮気してみた

プリンター購入以来、10ヶ月、ずっと純正を使っていました
それほど、印刷する頻度は多くないので、純正の600g 3000円で
少し高い感じはありましたけど、まぁいいかぁ~でやってました
今までは、ホワイトとオレンジを使っていましたが、昨年秋ぐらいに
ナチュラルを使ってみました
Flashforge Filament PLA 600g ナチュラル – FLASHFORGE JAPAN

たまたまだったのか?こいつがどうも調子よくない。
印刷途中で、出ていなくて空振りしている事がたびたび。
フィレメントホルダから取り出してみると、う~ん、絡んでいます
解いて伸ばしてみても、また途中で絡んでるし、ちょっと引っ張ると
ポキッと折れてしまうことも・・
う~ん、不良品にあたってしまったかぁ?
ちょっと時間が長いのをやる時には、思い切って解いてからやってました
な~んか、ホワイトより折れやすい感じもします
それでも、どうにかかなり使ったので、そろそろ追加注文しようか。
やっぱりホワイトが材質的には、よさそうだったので、ホワイトを注文しようと思いましたが
そうだ!
たまには、違うメーカーのを使ってみようかな!!

HICTOP 3Dプリンター用フィラメント

Amazonで人気だった『HICTOP 3Dプリンター用 高強度 PLA 樹脂 材料 フィラメント【1.75mm】【1kg】 直径精度+/- 0.02mm (ホワイト)』を注文しました

Flash Forge の純正よりかなり安いです。
1kg で 2000円。半額以下ですね~
やっぱり純正じゃないので、場合によっては、トラブル起きる可能性もありますが
2000円なら、で購入してみました

結構でかい。

当然ですが、本体のフィラメントホルダには入りません。
まぁ、外にそのまま置けば使えない事はなさそう!

このままでも、いけそうだけ、印刷中にヘッドに引っ掛るのもいやなので
上側に突っ張り棒を設置してそこを通して引っ掛り防止にしてみました

左側の青色のホースは、元々のフィラメントホルダからのフィラメント。
じゃまにならなそうだったので、このままで印刷してみました。

特に問題な~し!

トラブルもなく普通に印刷できました。
品質も純正と見た感じでは、ほとんど変わりません。
これで、半額なら外置きで格好は悪いけど、いいですね

でもやっぱり、長い印刷をしていると・・・

横置きでそのまま引っ張っていくので、巻き癖で空中で絡んできました。
まだ、実験段階で放置はしていないので、印刷中でもたまに解いてあげれば
問題ないですが、やっぱり横置きじゃ、ダメだねぇ
とりあえず、ダンボールと棒で簡易ホルダでやってみたがが、う~ん・・・・

せっかくの3Dプリンターなんだからフィラメントホルダを作ったほうがよさそうです。

フィラメントホルダ

外径が結構大きいから、全部プリンターで作ると、すごく時間がかかりそう
木っ端があったので、こいつを利用しよう!
幸い私は本体と同サイズの台の上に置いているので、横にぶら下げられます。
プリンタ本体の横に引っ掛けられるようなステーをプリンターで作って
そいつを木っ端に木ネジで留めて
さらに木っ端の反対側に、フィラメントの中央穴に挿入できる寸法のスリーブを作成し、同様に木ネジで留めるようにしました

スリーブの印刷には、4時間半ぐらいかかりましたし、後にも書きますが
スリーブの印刷方向やサポートで悩みましたが、意外と簡単にできました
引張ってみると、付属のものより、回転はスムーズでいい感じ。
使えそう!!

あ~設計ミス!

そういえば、フィラメント取り替える時どうすんだぁ?
う~んスリーブを固定している木ネジ4本をいちいち外すしかないみたいだなぁ・・・

スチールのネジなら問題ないけど、木ネジなので、何回か取り付け取り外しをやってると、バカになるだろうな~
でも、4時間半もかかったんだから、ダメになるまで、このままで行きます
そのうち、また作ればいいや!!

ところで皆さん,こんな形状のサポートはどうしますか?

スリーブ部は、なるべくプリント量を減らすようにと思い、かなり空洞にしました
ただ、フィラメントが抜け落ちないように、外側はフランジ形状にしました。



さて、モデリングも終わって印刷しよう!の段階で、はて??
どっち方向から印刷しよう?いずれにしても、アンダーが出てしまう・・・
サポートしないと駄目だろうな~?
スライサーの自動サポートを使うか?
本来であれば、このフランジ部は、ネジ仕様で別パーツにしたほうがよかったと思いますが、皆さんはこんな形状、どうやって印刷するのでしょう?

私がやった方法は、次回にでも書いてみます

突っ張り棒、サポート

最近、寒いですねぇ~

部屋の壁に突っ張り棒を渡して、上着を掛けていますが、ますます重くなってきています
ついに、先日落っこちてしまっていました

そうだ!3Dプリンターでサポートを作ろう!

突っ張り棒の端の部分を測定すると、40mm×70mmなので、41mm×71mmのボックスを作ろう
そいつを壁に打ち付けるけど、あまり大きな穴は開けたくないので、小さなピン(φ0.7)を使うことにします

Fusion360で設計



φ0.7ピンは、上下6本仕様にしました
さらに、取り外す時を考えて、裏側には隙間を施しました。
ここに、マイナスドライバーなどを突っ込めば、外しやすくなるはずです


こんな感じ、なるべく目立たないように、薄めにしてみました。
いずれにしても、突っ張り棒で押さえつけるので、こんなんで大丈夫だと思います

早速、Finderで印刷



できたぁ!
ピンを入れる穴は、通常プリントすると穴は小さくなる傾向にあるので、φ1.5で描きました
ちょっと、大きかったような気もしますが、ピンの頭は止まるので大丈夫
完成!早速壁につけてみます。
まずは天井と側面壁から、寸法を測って、ちょっと印をつけて打ち込みます

思わぬ、実用的な効果も・・

突っ張り棒って、長くなると重くて、一人で設置しよとするとて反対側がおっこちて、なかなか思うように設置できないですよね~
さらに、水平に取り付けるには、結構大変です
ところが、このサポートを使うと非常に簡単に設定できました
まずは、取り付ける壁にピンで固定するので、きちんと測って印をつければ単独に打ち込むので、簡単に水平に取り付けられます


耐久性は分かりませんが、ピンを6本も使っているので、かなり強いんじゃないか?と期待しています

抜きタップ

ちょっと業界用語的な言葉ですが、機械的な設計をする場合、はめ込んだ部品を取り外す機会がある場合、こんな仕掛けを施す場合があります
これば、前もって、ネジ穴をあけておきます。
通常このネジは使いませんが、取り外す時に、ここにボルトを締めこむ事で簡単に取り外す事ができるようになります
今回の突っ張り棒サポートには、取り外し用として、裏側に空洞を施しましたが、今考えれば抜きタップ仕様にしてもよかったかもしれませんね
今度は、バー載せフックでも作ろうかと、モデリングを始めましたけど、抜きタップ仕様で描いてみました


InventorとFusion 360の違いをまとめてみました。

Fusion 360ってなんでそんなに安いの?今まであったInventorと何が違うの?という質問をよくもらうので、Fusion 360とInventorの違いをまとめてみました。

Fusion 360についてもっと詳しく知りたい方はこちら

UI(画面デザインについて)

オートデスク社は、すべての製品においてユーザー インタフェースをできる限り統一しています。
したがって、リボンUI、右クリックによるマーキングメニュー、ViewCubeはすべてInventor、Fusion 360ともに共通化されています。
その中でも特にInventorとFusion 360は、機械設計向けの機能を擁しているので、コマンド名も一部例外はありますが、ほぼ同じ名称が採用されています。
アイコンも同じ絵が使われていることが多いので、どちらか一方を使ったことがあれば、簡単に使えると思います。
また、キーボードショートカットも同じものを使用できます。

スケッチ

基本的な作図機能については大きな差はありません。
Fusion 360には無いInventorの機能として以下のものがあります。
・点をインポート:Excelで指定したXY座標を点で表現できます。インポートした点を繋げてスプラインを作成できるので、あらかじめ決まっている曲線を表現できます。

・ACADファイル(DWG)の挿入:DWGファイルの図形を直接読み込むことができます。その際に、不要な線はインポートしないようにフィルタリングするオプションもあります。

ソリッドモデリング

Fusion 360とInventorほとんど同じ機能が付いています。
Fusion 360には無いInventorの機能として以下のものがあります。
・公差を3Dモデルに付与する:寸法に対して公差を設定できます。単に数値を追加するのではなく、できあがる3Dモデル自体の形状のサイズを中間値、上限値、または下限値に調整することが可能です。これにより、より詳細な干渉チェックや応力解析を行うことができます。

また、Inventorには完全な板金設計機能がついています。Fusion 360にも最近この機能が付きましたが、まだフル機能には至っていません。今後、同等の機能が搭載されると予想されます。

サーフェスモデリング(パッチ)

これはかなり違いがあり、Inventorの方に優位性があります。
Inventorの場合、まず「パッチ」という「環境」はありません。すべて「サーフェス」と表現し、ソリッド モデリングと同じ環境で作業をします。
操作方法は、基本的なフィーチャーである「押し出し」、「回転」、「スイープ」、「ロフト」についてはコマンド内で、ソリッドまたはサーフェスのどちらを作成するのかを選択します。

その他の作成方法としてInventorにのみ搭載されているコマンドは、「ルールド サーフェス」、「メッシュの面をフィット」があります。

ルールド サーフェス:選択したエッジから、指定した距離と方向に延長するサーフェスを作成する。

メッシュの面をフィット:メッシュ形状の指定した部分にフィットするサーフェスを作成する。

Tスプラインモデリング(スカルプト)

スカルプト機能はFusion 360とInventor、ほぼ同等の機能が搭載されています。

新規作成時と編集時に使用できるコマンドがFusion 360よりも限られており、作成機能だと「押し出し」、「回転」、「スイープ」、「ロフト」が、編集機能は「ベベルエッジ」、「プル」、「エッジをスライド」、「補間」、「フリーズ」がありません。

この機能については比較的ユーザー インタフェースが統一されていないので、どちらかのCADを使い慣れている方は最初に若干の違和感があるかもしれませんが、編集機能などはほぼ同じコマンドが揃っています。

アセンブリ

「アセンブリ」=「複数の部品を組み立てる機能」という意味ではどちらにもこの機能があり、コンポーネント同士の拘束には「ジョイント」を使用するという、基本的な機能は同じですが、データの扱い方が全く異なっています。
Fusion 360は、アセンブリも単体パーツもファイル形式は同一ですが、Inventorはアセンブリがiam、パーツがiptという異なるファイル形式を持ちます。したがってFusion 360で言うと、他のファイルを「現在のデザインに挿入」した状態での運用が必須となります。
部品点数が2000点以上を超えてくるとFusion360は重たくなってくるので、この点をInventorが優れています。その関連としてInventorには大規模アセンブリを軽量化して設計を進めることができる機能がいくつか搭載されています。
一時的に使用しないコンポーネントを消去したり、簡略化したコンポーネントと置き換えたりする機能があります。
また、部品同士の組み立てにおいて「溶接」を表現ができるようになっています。溶接の方法についても国際標準規格(ISOやJISなど)の規格に沿った溶接方法や材料選定の設定ができるようになっています。
さらにフレーム設計、配管設計(チューブ&パイプ)および配線設計(ケーブル&ハーネス)機能があり、完全なアセンブリを作成することができます。
また、同じAutodesk社製製品である「Moldflow」という射出成形シミュレーション ソフトウェアをアドインして使用できることから、アセンブリモデルを元にモールドベースを作成する機能も搭載されています。

その他、Inventorにのみ搭載されている機能として以下のものがあります。

◯モデリング全般
iPats および iAssemblyという機能があります。類似部品や類似アセンブリを作成する場合に1つの基準となるパーツやアセンブリを用意し、それに対しての差異を設定することで類似品をより素早く作成することができます。

◯アセンブリフィーチャー
アセンブリ内に存在するフィーチャーを作成することができます。どのコンポーネントにも依存しない、アセンブリのためだけのフィーチャーです。合わせ加工をするための穴を作成するような場合に便利です。

◯コンテンツ ライブラリ
標準部品や機械要素を、自動生成することができる機能です。既存のライブラリに存在しない独自のサイズの機械要素を設定したりできます。また、ボルト・ナットおよびワッシャーの組み合わせを指定し、配置する位置を決めると自動で下穴が生成され、ボルトの長さを相手に合わせて自動的に決定して配置する機能などもあります。

シミュレーション

Inventorのシミュレーション機能は、応力解析、ダイナミック シミュレーション、フレームの応力解析のみです。

Fusion 360の方が、計算の種類は豊富に揃っています。
ユーザー インタフェースはほぼ同等で、大きな違いはありません。
ただし、Inventorは「Product Design & Manufacturing Collection」というパッケージで購入すると、「Autodesk Nastran In-CAD」というシミュレーション ソフトウェアをInventorにアドインして使用することができます。このソフトウェアでは、熱伝導および熱応力解析、非線形解析、大変形解析、複合材解析、座屈解析、落下衝撃解析、周波数応答解析なども行うことができます。

図面

Inventorが圧倒的に優位です。
国際標準規格(ISO、JISなど)に完全に対応した図面を作成することができます。また、企業内でオリジナルの製図規格が設定されている場合でも、個別に設定を変えることができるのでほぼどのような変則的な規格にも対応可能です。
(例:矢印の形状、風船(バルーン)の形状、ハッチングの種類、溶接記号の記入方法など)
また、図面枠、表題欄、部品表のフォーマットなどはどの企業でもオリジナルのフォーマットを設定している場合がほとんどですが、これらすべてカスタマイズ可能です。
(例:オリジナルの図面枠を使用する、部品表に記入する項目を追加削除する、など)
図面内に記入する寸法は、3Dモデル内で追加した寸法(スケッチ寸法、押し出しの高さ寸法、フィレットの半径など)をそのまま再利用できるので、図面内で改めて寸法を追加する必要がありません。
また、Inventorは2次元図面上で寸法を変更することができます。変更は3Dモデルに反映されるので、図面操作中に修正すべき箇所を見つけた場合に都度3Dモデルを開く必要がありません。

CAM

InventorにはCAM機能が付いていませんが、Fusion360にはCAM機能が付いています。
こちらは大きな違いになります。
ただしInventorは「Product Design & Manufacturing Collection」というパッケージで購入すると、「Inventor HSM」という2.5軸から5軸まで対応のCAMソフトウェアをInventorにアドインして使用することができます。

データ管理

Fusion 360はクラウド上でデータを管理することができます。そのため、手軽にチーム内でのデータ共有がしやすいです。
Inventorは、ソフトウェアに同梱されているAutodesk Vaultというデータ管理ソフトウェアを使用してデータ管理をすることができます。このツールでは、プロジェクトごとにファイルを整理することができます。また、ファイルのバージョン管理、アセンブリ内で使用されているコンポーネントの検索、排他制御(誰かが編集している時に他の人は編集できないようにするなど、矛盾や衝突が発生しないようにする)などが可能です。

ライター紹介
HLworks 草野 多恵
富山県生まれ。大手メーカーの宇宙航空事業部門にてロケット設計開発チームに在籍し、設計から納品までのプロセス管理を担当していました。その後は3D CADベンダーで営業技術を担当。現在はフリーで3D CADの教育を中心に活動しています。わかりやすく説明することを心がけています。よろしくお願いします。

Fusion360を中心に他の3D-CAD間でデータ変換実験してみた

「CATIA V5」の生データを用意

かなり昔のですが、CATIA V5 のデータがあったので、こいつの変換テストをしてみます
まずは、Fusion360にインポートしてみます
Fusion360へのインポートは、直接とクラウドを経由する場合でインポートできる
ファイルの種類がぜんぜん違います
『CATIA V5』の場合は、クラウドを経由する必要があります。
その詳細やクラウドを使用する場合の方法は、下記のサイトで分かりやすく説明されています
Home3Ddo
AUTODESK FUSION360

『CATIA V5』の生データをインポートし、編集!

早速、クラウド経由で読み込んでみました。
さすがに、オリジナルデータをそのまま公開できませんので、インポートしたデータをFusion360でいろいろ編集してみました



お~
すごいすごい、かなりハードな変更ができました
読み込んだデータがここまで編集できるのは、かなり正確にデータが渡っている事と思われます

こいつを、『ACIS』でエクスポートし会社CADへインポート

次に、Fusion360 で『ACIS(sat)』へエクスポートし会社のCADで読み込んでみます
Space-E/Modeler



問題なく読み込めました
読み込んだだけで、「ボディ」属性になっていますから、ソリッドでの受け渡しができているのがわかります
さらに読み込んだモデルに、フィレット処理をかけてみました



普通にフィレット処理ができました。こちらもデータの受け渡しは正常だと思います
さすがソリッドカーネルです。
ところで、Fusion360のエクスポートに『sat』があって『x_t』がないところをみると、Fusion360のカーネルは『ACIS』みたいですね。
欲を言うと、『x_t』でエクスポートできれば、トランスレータとしては最高なんですけどね
低コストで、『x_t』へ変更する方法は、後で紹介したいと思います

次に『step』

先のSpace-Eは、標準では『step』が読み込めません
なので、もう一つのCAM、OPEN MIND 社の HyperMILL で読み込んでみます
hyperMILL
こちらも問題なく読み込めました





ただ、ソリッド化では、失敗してしまいました



う~ん、これは、出力側、入力側、どちらに問題があるのかわかりませんが
これが、「中間フォーマット」の相性ですかね~
やっぱり、ソリッドカーネルでの受け渡しがいいですね
ただし、HyperMILL は独自カーネルなので、カーネルでの受け渡しは制限があります

じゃぁ、パスは出るのか?

ソリッド化は失敗しましたが、HyperMILLでの仕事はパスを出すことです
HyperMILLのCAD操作は設計的な操作よりも、CAMに便利な操作が充実しています
なので実は、サーフェスでの作業が多いです。
そんなことで、もらったデータでパスが出なくては、お話になりません
ほとんど特別な操作はしないで、簡単な等高線パスを計算してみました



うん、問題なくパスは出力されました
これなら、大丈夫ですね!

再度、Fusion360 へインポート

今度は、Space-E で『ACIS(sat)』を出力し、そのデータをFusion360で読み込んでみました
この操作を整理すると、
「CATIA V5」⇒「Fusion360」⇒「Space-E」⇒「Fusion360」となります
>


読み込んだモデルに、Fusion360でフィレットを追加してみます
問題なく編集できますね。
ここまで、他CADのデータを操作できるのは、すごいですねぇ
独自カーネルのトランスレートは高価なダイレクトトランスレータオプションが必要ですが
Fusion360の標準機能だけで、非常にメジャーな「CATIA V5」のデータがトランスレートできました
すごいです
これで、『parasorid』へのエクスポートがあれば、完璧ですけどね~

『sat』←→『x_t』変換

最後に、面白いCADをご紹介します
IRONCAD
このCAD、デュアルカーネルと言う、2個のソリッドカーネルを搭載しています
したがって、『sat』と『x_t』が相互に変換が可能です
価格もそれほど高くないです、300千ぐかいでしょうかね??

低価格でトランスポート

・Fusion360で独自カーネルをインポート
・Fusion360から『ACIS(sat)』でエクスポート
・IRON CAD で『ACIS(sat)』をインポート
・IRON CAD から『Parasolid (x_t)』でエクスポート

この2個のCADがあれば、ソリッドでの受け渡しがかなりの変換率で実現できると思います

Fusion360はトランスレータとしても優秀!

Fusion360! こんな高機能なCADをトランスレータだとぅ

コストのみならず、非常に高機能な Fusion360 をトランスレータだと言うのか!
と怒られそうですが、他企業と3D-CADデータでやりとりし、連携しながら仕事を進める場合、CADデータの互換性は非常に重要になってきます
一昔前、車のボディやドア、インパネなどの金型を製作している会社さんは顧客である車メーカーが使用しているすべてのCADをデータ変換目的で設備していると聞いた事があります。
当時はまだまだ、3D-CADは高価で1000万円以上した時代です
他CADとのデータの受け渡しを可能にする中間フォーマットとして『IGES』と言うデータ形式がありますが、完璧ではなく車などの複雑な3Dモデルにおいては、変換トラブルも多く不十分だったようで効率を考えると、相手と同じCADを設備したほうがまだよかったと言う訳です

サーフェスとソリッド

3Dモデルの表現方法としては、「ワイヤーフレーム」「サーフェス」「ソリッド」があります。
「提灯」を通常のような「紙」と「粘土」で作った場合をイメージしてください

「提灯」の骨組みの竹ひごの部分が、「ワイヤーフレーム」でそれに貼られた紙がサーフェスです
その提灯と同じ形を粘土で作った物が、「ソリッド」のイメージです
普通の提灯は空洞ですが、粘土提灯は固まりです
さて、この紙の提灯と粘土の提灯形状の物に、鉛筆を突き刺してみます



紙の提灯には、鉛筆の径で穴が開くだけですが、粘土の提灯には鉛筆の形状が凹として残ります





この粘土提灯に鉛筆を突き刺した形状と同形状を、紙の提灯で作るのは非常に大変です
開いた穴のところに、鉛筆の胴や先っぽの部分の形状の骨組みを作成し、それに紙を貼り付けなくてはいけません
サーフェスでの3Dモデリングの作業も、この作業に似ています
ソリッドのCADでは、粘土提灯のモデルから、鉛筆のモデルを引き算することで、簡単にモデリングできます
ところが、サーフェスのCADでは、紙の提灯モデルに穴を開け、鉛筆の形状に骨組みになる輪郭線を引き
それに曲面を貼り付ける作業となり非常に大変です
ただし、複雑に変形している自由曲面をモデリングするのは、ソリッドは不得意です
粘土のように中身が詰まったデータなので、複雑な部分すべてを埋めるような計算が難しく場合によっては出来ない場合もでてきます
そんな時には、サーフェスを使用する事になります。サーフェスであれば、一枚の曲面は独立していて必ずしもすべての要素が接続している必要はないのでかなり、自由度がききます
以前の3DCADは、サーフェスが主流でした。
その後ソリッドのCADも出てきましたが、サーフェス処理が出来なかったり、切り替えが必要なCADもありました
最近は、その両方を意識しないでも、モデリングできるハイブリッドCADと呼ばれる物がほとんどです

ソリッドカーネル

画面上で3D的表現させるための、ソフトを開発するのは非常に大変です
以前はメーカーが独自で開発していたこともあり、3DCADの価格は高価でした
ところが、その計算部分のソフトウェアが、市販されました
CADメーカーは、一番開発コストのかかる、3Dの計算部分は購入すればよくオペレーションや操作の部分だけ、独自に開発専念できます。
この市販ソフトの利用で、3DCADの価格は、非常に安くなりました
格になるソフトウェアはカーネルとよばれていますが、この3Dの格となる計算部分のソフトウェアはソリッドカーネルと呼ばれています
ソリッドカーネルは、計算の核となる部分なので、違うメーカーのCADでもこのカーネルが同じであれば、かなり互換性は高いです
社外とのCADデータの受け渡しを検討する場合、まずはカーネルを調査するのは非常に重要です

市販のカーネル

『parasorid』・『ACIS』・『DESIGNBASE』の3種類が主のようですが、『DESIGNBASE』が使われていた、フォトロンさんの図脳3Dシリーズが現在は販売終了のようですね。
販売中の別の商品は、『parasorid』みたいです

CADMAX-J

また、新しい図脳3DシリーズをCATIAカーネルで開発中のようです

図脳CAD-3D

したがって、現在市販カーネルは、『parasorid』 と 『ACIS』 の2種類で考えればいいですね

独自カーネル

市販カーネル使用しないで、独自に開発されたCADもあります
『CATIA』 『Pro/ENGINEER』 『I-DEAS』 など比較的ハイエンドなCADが多いです

中間フォーマット

同じカーネル同士のCADであれば、比較的正確に受け渡しする事ができますが、違う場合は、読み込む事はできません
そこで、いろんなCAD間で受け渡しできるように、標準的なデータフォーマットが公開されています
しかし、互換性を重視したフォーマットなので、面データが消えたり、壊れてしまっていたり、正確に渡らない場合も多いです
中間ファイルは、代表的なところでは『IGES』と『STEP』があります
『IGES』はほとんどのCADが対応していますが、『STEP』はオプションの場合もあります
ただし、3Dの場合は『STEP』のほうが変換率は高いように思います

トランスレータ

違うCAD間でデータの受け渡しをする場合は、お互いが対応しているカーネルであればトラブルは少ないですがそうでない場合、中間ファイルの『IGES』でのやり取りになります
『IGES』はサーフェイスでのやり取りになるため、「提灯」の例のように、ソリッドに比べると面倒です。
CADにはサーフェスをソリッドに変換するソリッド化の機能がありますが、一部でも壊れたデータがあるとソリッド化できなくて、サーフェスでの作業と言う面倒な事になります。
なるべくなら、『IGES』でのやり取りは避けたいところです
そこで、自分のCADが対応していない、データを読み込んだり出力したりする場合、相互に変換するしてくれる機能がほしくなります
その機能がトランスレータと呼ばれています
トランスレータは通常はオプションになっています

Fusion360 は読み込めるデータフォーマットが多彩

Fusion360 は標準で市販カーネルの、『parasorid』・『ACIS』 だけでなく
『CATIA V5』 『Pro/ENGINEER』 など独自カーネルもインポートできます
通常、他社の独自カーネルをインポートする場合には、ダイレクトトランスレータと言う結構高価なオプションが必要となりますが、Fusion360では標準機能でそれが可能なのは驚きです

次回、このインポート機能を利用して、実際にデータのやり取りをやってみたいと
思います
つづく

ゴミ当番札を作ってみた

自宅のゴミ収集場所が新しくなったので、当番札を作って回覧する事になりました。
ダレも手を上げないので、3Dプリンタで作ってみる事にしました

部品構成は、5点でFusion360で設計。皿ネジで締結することにします

パーツは、「ドアに引っ掛けるフック」「60mm角×4個で構成 ゴ・ミ・当・番」
各パーツは、皿ネジで組み立てます


フック部品




ネジはφ3ぐらいなので、フックの取り付け部には、φ4mm程度の穴を開け、本体部のパーツには、2mm程度の穴を開けます。モデル上では特にネジ処理はしないで、直接ネジで切り込む事にします
Fusion360 には、穴コマンドがあるので、簡単に穴をモデリングできます

「ゴ」「ミ」「当」「番」の4部品

一文字ごとに、4つのパーツにしました。サイズは60mm四角。



接続は、四角形の凸凹ではめ込み、横からネジで固定します。フックと同様に外側の穴はネジ径φ3mmよりも大きくし実際に固定する穴は2mmにしました



また、このような文字をモデリングする場合にも、Fusion360 はフォントをベクトル化して簡単に図形データに変換できます。

サポートは?

このような機構部品で、上下左右面に凸凹がある形状は、サポートが面倒です
私のプリンタの専用ソフト、FlashPrint には、自動サポート機能がありますが、このような形状の場合あまりよいサポートではないように思っています
少し面倒ですが、サポートもモデリングしました

さぁ、印刷!





前回のレポートのように、

ガムテープ仕様で印刷してみましたが、やはり一層目でうまく貼りつかない箇所があったのでスティック糊を使用しました

完成!



 

一部品3時間ぐらいかかる大作でした
大切に使ってほしいなぁ~

最近話題のクラウド3DCAD「Fusion 360」のドラフト機能(図面機能)を徹底的に使ってみた。

3D設計を推進し2D図面レス化を図る企業も増えてきているかと思いますが、加工指示を出すときなど2D図面を使う企業はまだまだ多いです。
そこで、日本の製造業において重要な役割を持つ2D図面が、最新のクラウド3DCAD「Fusion 360」でどれくらい使えるのか、Fusion 360のドラフト機能(図面機能)を徹底的に使ってたのでご紹介したいと思います。

Fusion 360は、Autodesk社が提供している高機能なクラウド3DCADソフトです。
3DCAD機能に加え、3DCAM、レンダリング、解析、アセンブリ、2次元図面などの機能が搭載されています。
さらにライセンス費は年間35,640円と、従来は数百万円した3DCADと比べかなり安価です。

これだけ安く使えるソフトなので、どうせ図面機能もあまりついていないんじゃないかと思いながら使ってみたのですが、なかなか使えるソフトでした。

今回チェックした機能
・ビューの投影
・中心線、補助線
・寸法、注記、指示記号
・部品関連
・出力
・その他の設定

では、一つ一つ機能を紹介していきたいと思います。

ビューの投影

Fusion 360は、3Dモデルを基に2次元図面を作成します。
3Dモデルを図面に投影するだけで、簡単に三面図とアイソメを作成することができます。

また、ビュー同士はリンクしているので、尺度や位置を変更すると同じように他のビューにも変更が反映されます。
さらに、3Dモデルと2次元図面がリンクしているので、3Dモデルを変更すれば2次元図面も自動で変更することができます。
このあたりは図面機能が付いてる他の3DCADと同じですね。
その他に、断面図と詳細図を作成する機能がありますが、部分断面図の機能はついていないようです。


中心線、補助線

線を書く機能として、「中心線」「中心マーク(円や円弧の中心)」「エッジ延長」の3つがあります。
任意の線を書いたりすることはできません。
また、中心線の機能がエッジを2つ選択してその間に中心線を書いてくれるのですが、以下の図のような場合はモデル全体に中心線を書くことができませんでした。

一度作成した中心線を延長することでできますが、長さの微調整などがちょっと手間です。

寸法、注記、指示記号

寸法や注記、指示記号は簡単に入れることができます。
それぞれの機能一覧です。

寸法にはもちろん公差や記号を入れることがきます。
テーブル機能については、エクセルのように四則演算が使えるのですが、セルの結合機能がありませんでした。

部品関連

3Dモデルでアセンブリを定義しておけば、簡単に部品表を作成したりバルーンを配置することができます。
部品表の表示される内容は、「部品番号」「数量」「部品名」「説明」「マテリアル」の5項目です。
部品表のカスタマイズはできず、直接部品表に文字を入れたりすることもできないようです。
さらに、バルーンを配置するときはビュー内の部品をクリックしていかなければならないので少し手間です。

ビューをクリックすれば自動でバルーンを配置してくれる機能があれば楽ですね。
分解図は3Dモデルをアニメーション機能を使って分解しておけば作成することができます。

出力

作成した図面はDWGとPDFに変更することができます。
その他、部品表をCSVファイルで出力したり、作成した図面をテンプレートとして保存することもできます。

その他の設定

最後に細かな設定をご紹介します。
以下の設定を変更することができます。

製図企画は「ISO」と「ASME」、単位は「mm」と「in」、投影角度は「第一角法」と「第三角法」があります。


いかがだったでしょうか。
かなり厳しい目で見たので出来ない点も浮かび上がってきましたが、業務でも問題なく使用出来るレベルだと思いました。

無料体験版もありますので、皆さんも是非試しに使ってみてください!

製造業における3DCADの市場動向

3DCADは1980年代から本格的に製品が出てきましたが、ハイエンドからミドルレンジ、さらにはローエンドのものと展開が進み、ソフトウェアもその時々のトレンドに応じて統合や廃止、また新規で作成されるなどの変化があり、製品としては洗練され、市場としては成熟感が増してきました。

それゆえに、これまで国内のCAD/CAM/CAEシステム市場は成長を続けてきていましたが、近年はそのペースも落ちてきました。
一時期顕著だった2Dから3Dへの転換もひととおり導入が進んだこともあり、今後、市場を拡大していくには、新たな3DCADの適用先をいかにして増やすかがカギとなってきます。最近では3Dプリンターの流行で、安価な3DCADが流行していますが、この流れにも乗って大手のCADメーカーでは対応も進んでいます。

サブスクリプション方式(期間ライセンス)への転換

また、市場の鈍化がみられるこの状況下で、大手のCADメーカーはソフトウェアの利用形態を永年ライセンス+バージョンアップライセンスといったものから、サブスクリプション方式(期間ライセンス)に転換しつつあります。
このため、一時的に市場は下降傾向になるといわれています。

これには日本でのサブスクリプション方式は、企業がまだ慣れていないため、永年ライセンスでの使用をできるだけ引き延ばすという会社が増えるためと思われますが、いずれハードウェア、OSの切り替え/バージョンアップなどの際にはサブスクリプション方式しか残っておらず、最終的には移行が進むと思われます。

サブスクリプション方式は年間単位での契約が多いですが、月額を設定しているものもあります。
これにより柔軟な数量の確保が可能となりますのでその点はメリットとなりますし、永年ライセンスの価格をそのまま初期投資として計上すると費用もかかりますが、サブスクリプション方式では、製品よりも数分の一の価格に設定してあることや、バージョンアップライセンスと足して考えると開きも縮まるため、ライセンス形態を見直す企業も増えています。
また、導入時にはクラウドでの利用可能なものも含まれている場合もあり、この形態での利用は3DCADの場合には、高速なレンダリングなどがクラウドサービスによって得られるのであれば、個々で高価なハードウェアを用意する必要が減るため、利用が進むと思われます。

ただし、やはり中小企業であれば、導入本数も少ない場合が多く、なかなか切り替えられないという面もやはり存在します。

3DCADの今後の展開は?

CAD/CAM/CAE全体的な市場規模では2016年度の成長予測で前年比4.8%増と予測されており、伸びている状況ではあります。
建築系の需要で大きなところはやはり東日本大震災からの復興需要とされていますが、これに加えて2020年までは東京オリンピック需要も重なり、引き続き伸びる予想となっています。

3DCADの今後の展開としては、いかにして3DCADデータの入力を簡単にするかがポイントとなってきます。
2Dからの入力だけではなく、3Dスキャナなどを用い、直接3Dデータを作成するなどの発展がされれば、3DCADのトレーニングを受けた人だけではなく簡単に3DCADを利用できる環境ができてくると思われ、さらなる導入のポイントとなる可能性があります。

また、最近ではクラウド化の流れもありますが、設計データの共有や管理方法の変化、また、データの流用などに特化したPLMシステムなどの管理系のアプリケーションを利用することで、さらなる顧客との距離が縮まっていきます。
カスタマイズパーツなどのデザインをエンドユーザー側で行い、メーカー側は既存の部品への結合部分だけのものをベースとしてデザインしておくなどのより対話的な環境も利用されていくのではないかと思われます。

クラウド3DCADの利点は何か?

世の中にはクラウド技術を用いたのソフトウェアが増えてきていますが、クラウドの3DCADが発売されているのをご存知でしょうか?
2次元のCADソフトウェアAUTOCADで有名なAutodesk社が開発したFusion 360は世界初のクラウド型3DCADです。

それでは、クラウドの3DCADにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
実際にFusion 360を使ってみてクラウドCADのメリットを確認してみたいと思います。

まず一つ目のメリットはデータの共有・管理です。
ボトムアップ設計など、複数の設計者が各部品をモデリングしアセンブリする場合、データがクラウドで管理されているため、設計変更などがリアルタイムで反映することができます。

例えば、自転車のサドルとフレームを組み合わせてみたところ、サドルの長さが長すぎた場合に、

設計変更を依頼し長さを変更してもらうことで、リアルタイムに設計変更を反映することができます。

二つ目のメリットはどこからでもデータにアクセスできることです。
データはクラウド上に管理されるため、別のパソコンを使用しても同じアカウントでログインすれば今まで作業していたデータを編集することができます。

また、Fusion 360の場合、クラウドにアップしたデータにWEBブラウザからアクセスし形状を確認することができます。
それにより、営業時のプレゼンテーションなどにも3Dモデルを活用することができます。

今後はタブレットやスマートホンといったポータブルデバイスなどを使って出先や電車での移動中などでもモデリングが可能になるかもしれません。