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更新日:2017.07.06

製造業における3DCADの市場動向

 セイゾウネットコラム

3DCADは1980年代から本格的に製品が出てきましたが、ハイエンドからミドルレンジ、さらにはローエンドのものと展開が進み、ソフトウェアもその時々のトレンドに応じて統合や廃止、また新規で作成されるなどの変化があり、製品としては洗練され、市場としては成熟感が増してきました。

それゆえに、これまで国内のCAD/CAM/CAEシステム市場は成長を続けてきていましたが、近年はそのペースも落ちてきました。
一時期顕著だった2Dから3Dへの転換もひととおり導入が進んだこともあり、今後、市場を拡大していくには、新たな3DCADの適用先をいかにして増やすかがカギとなってきます。最近では3Dプリンターの流行で、安価な3DCADが流行していますが、この流れにも乗って大手のCADメーカーでは対応も進んでいます。

サブスクリプション方式(期間ライセンス)への転換

また、市場の鈍化がみられるこの状況下で、大手のCADメーカーはソフトウェアの利用形態を永年ライセンス+バージョンアップライセンスといったものから、サブスクリプション方式(期間ライセンス)に転換しつつあります。
このため、一時的に市場は下降傾向になるといわれています。

これには日本でのサブスクリプション方式は、企業がまだ慣れていないため、永年ライセンスでの使用をできるだけ引き延ばすという会社が増えるためと思われますが、いずれハードウェア、OSの切り替え/バージョンアップなどの際にはサブスクリプション方式しか残っておらず、最終的には移行が進むと思われます。

サブスクリプション方式は年間単位での契約が多いですが、月額を設定しているものもあります。
これにより柔軟な数量の確保が可能となりますのでその点はメリットとなりますし、永年ライセンスの価格をそのまま初期投資として計上すると費用もかかりますが、サブスクリプション方式では、製品よりも数分の一の価格に設定してあることや、バージョンアップライセンスと足して考えると開きも縮まるため、ライセンス形態を見直す企業も増えています。
また、導入時にはクラウドでの利用可能なものも含まれている場合もあり、この形態での利用は3DCADの場合には、高速なレンダリングなどがクラウドサービスによって得られるのであれば、個々で高価なハードウェアを用意する必要が減るため、利用が進むと思われます。

ただし、やはり中小企業であれば、導入本数も少ない場合が多く、なかなか切り替えられないという面もやはり存在します。

3DCADの今後の展開は?

CAD/CAM/CAE全体的な市場規模では2016年度の成長予測で前年比4.8%増と予測されており、伸びている状況ではあります。
建築系の需要で大きなところはやはり東日本大震災からの復興需要とされていますが、これに加えて2020年までは東京オリンピック需要も重なり、引き続き伸びる予想となっています。

3DCADの今後の展開としては、いかにして3DCADデータの入力を簡単にするかがポイントとなってきます。
2Dからの入力だけではなく、3Dスキャナなどを用い、直接3Dデータを作成するなどの発展がされれば、3DCADのトレーニングを受けた人だけではなく簡単に3DCADを利用できる環境ができてくると思われ、さらなる導入のポイントとなる可能性があります。

また、最近ではクラウド化の流れもありますが、設計データの共有や管理方法の変化、また、データの流用などに特化したPLMシステムなどの管理系のアプリケーションを利用することで、さらなる顧客との距離が縮まっていきます。
カスタマイズパーツなどのデザインをエンドユーザー側で行い、メーカー側は既存の部品への結合部分だけのものをベースとしてデザインしておくなどのより対話的な環境も利用されていくのではないかと思われます。

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