近年、多くの企業が設計業務の効率化に力を入れています。しかし、高額なCADソフトの導入コストがネックとなり、導入を躊躇しているケースも少なくありません。
そんな中、注目を集めているのがIJCADです。AutoCADに似た操作性で、コストパフォーマンスも抜群。実際にIJCADを導入した企業では、設計期間の短縮やミス削減など、様々な効果が報告されています。
本記事では、IJCADの価格や機能、そして導入事例を交えながら、その多彩な魅力を幅広くご紹介します。「IJCADを導入する具体的なメリットを知りたい」という方もぜひご一読ください。
IJCADとは

IJCADは、インテリジャパン株式会社が開発した国産CADソフトです。リーズナブルな価格設定が特徴で、導入実績は13.3万本を突破(2024年1月時点)。業界標準のAutoCADと高い互換性を持ち、建築、土木、機械設計など幅広い分野で活用されています。
AutoCADについては以下の記事で詳しく解説しているので、この機会にぜひご一読ください。
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AutoCAD互換ソフトの歴史
IJCADについて理解を深めるためには、やはりAutoCAD互換の歴史を紐解くことが重要です。
AutoCAD互換CADの歴史は、1990年代、AutoCADの標準ファイル形式であるDWGファイルに直接アクセスできる「AutoDirect」の登場から始まります。
このツールをきっかけに、DWGフォーマットの標準化を求める動きが活発化し、ODAやIntelliCADといった組織が設立されました。
そして、2000年代には、AutoCAD市場への参入企業が増加し、競争が激化する中で、IJCADのような国内特化型のソフトウェアも登場しはじめたのです。
IJCADはIntelliCADをベースに開発された
IJCADは、IntelliCADをベースに開発されていましたが、2014年以降は独自エンジンへ移行しています。これは、AutoCADとの互換性を高め、より高度な設計に対応しながら、日本市場に特化した機能に重点を置いたサービスを提供するための施策です。
このように、AutoCAD互換CAD市場は、DWGフォーマットの標準化と、各社の技術開発競争によって大きく発展してきました。その結果、IJCADのようにAutoCADに匹敵する機能を持ちながら、より手頃な価格で利用できるCADソフトが数多く登場し、設計者ニーズの多様化に貢献してきたのです。
CADソフトは、IJCADやAutoCAD以外にも多彩な製品がリリースされています。CADソフトについて詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。
IJCADの価格

IJCADは、建築、機械、電機など、用途や目的に応じた多彩なラインナップがそろっているCADソフトです。ライセンス形態も複数あり、ユーザーのニーズに合わせて柔軟に選択できます。
IJCADのラインナップ別価格表
まずは、IJCADのラインナップ別価格表からお伝えしましょう。以下では、シングルライセンスの価格を表にまとめました。
| カテゴリ | 製品名 | 1ヶ月料金 | 年間料金 |
| 汎用CAD | IJCAD LT | 3,740円 | 29,700円 |
| IJCAD STD | 4,950円 | 39,600円 | |
| IJCAD PRO | 6,270円 | 49,500円 | |
| 機械設計用CAD | IJCAD Mechanical | ― | 79,200円 |
| IJCAD Mechanical+ | ― | 138,600円 | |
| 電気設計用CAD | IJCAD Electrical LT | ― | 79,200円 |
| IJCAD Electrical PRO | ― | 247,500円 | |
| 建築用CAD | IJCAD Arch | ― | 64,350円 |
| IJCAD Arch+ | ― | 138,600円 | |
| 建設・土木用CAD | IJCAD Civil | ― | 64,350円 |
IJCADのライセンス別価格表
IJCADでは、利用環境やチームの規模に応じて以下のライセンス形態から選択できます。以下では、最もスタンダードなIJCAD STDのライセンスごとの価格をお伝えしましょう。
| ライセンス形態 | 価格 | 主な特徴 |
| シングル |
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| マルチ | 59,400円 / 年 |
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| USB | 44,000円 / 年 |
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| ネットワーク | 69,300円 / 年 |
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上記のように、シングルライセンスは、短期利用の1ヶ月契約と長期利用の12ヶ月契約が可能です。CADを常時使用する個人ユーザーに最適で、月額利用から始めたい場合に柔軟に対応できます。
その他の価格
IJCADは、その他にも以下のような料金を設定しています。
- USBライセンス初回認証代行:11,000円 / 本
- USB本体費用:16,500円 / 本
- インストールDVD:8,800円 / セット
参照:IJCAD「製品・価格」
IJCADの永久ライセンスは2025年1月に販売終了
IJCADは、2025年1月中旬頃を目安として、永久ライセンス版販売終了を発表しました。この決定により、新規の永久ライセンス販売が行われなくなると同時に、以降すべての製品が期間ライセンス形式で提供されることとなります。
なお、既存の永久ライセンスをご利用中のユーザーは、これまで通り継続して使用可能です。ただし、メンテナンス・サブスクリプションが必須の製品については、更新を行うことで利用を維持する形となります。
詳細な販売終了日については、IJCAD側が正式に決定次第公式ニュースを通じて案内される予定です。永久ライセンスを検討している方は、この機会を逃さないよう早めの購入をおすすめします。
IJCADの機能

IJCADは、設計支援、ファイル互換性、コラボレーション機能など、多岐にわたる機能を提供しています。以下に主要な機能をまとめました。
| カテゴリ | 機能 | 概要 |
| 2D CADソフト | 設計図面の描画と視覚化 | 線や円などの基本的な描画ツールを提供 |
| 描画、編集ツール | ポリゴンなどの編集機能で作業効率化を実現 | |
| 3D機能 | モデリング作成 | 平面図に高さ情報を追加して3Dモデルを作成 |
| レンダリング | マテリアルや照明設定でレンダリング画像を生成 | |
| 設計支援 | 衝突検出 | 設計エラーを検出して問題箇所を特定 |
| 3Dナビゲーション | 作成した図面を多角的に確認 | |
| 3Dモデルの2D図面変換 | 3Dモデルから平面図や立面図を生成 | |
| ファイル互換性 | ファイルフォーマット互換性 | 多数のファイルフォーマットをサポート |
| インポートとエクスポート | 異なるフォーマット間のデータ移行が可能 | |
| 下位バージョンの互換性 | 以前のバージョンのフォーマットとの互換性 | |
| 大容量ファイル対応 | 大きなファイルでもスムーズに操作可能 | |
| コラボレーション | マルチユーザー編集 | 複数ユーザーが同一ファイルを編集可能 |
| 関係者のデータ参照、コメント | CADがない環境でも図面を確認・コメント可能 | |
| モバイルデバイス対応 | スマホやタブレットで図面の確認・編集が可能 |
IJCADを利用するメリット

CADソフトは数多く存在しますが、その中でIJCADを選ぶメリットは何があるのでしょうか?ここでは、IJCADを利用する4つのメリットをご紹介します。
メリット①AutoCADからスムーズに移行できる
IJCADを利用するメリットは、AutoCADからのスムーズな移行が可能な点です。IJCADはAutoCADとの高い互換性を持ち、操作性も非常に似ているので、AutoCADユーザーは、最小限の学習コストでIJCADに移行できます。
既存のAutoCADデータの読み込みや書き出しもスムーズに行えるため、業務の継続性を損なうことなく、新しい環境へ移行できるのもメリットといえるでしょう。
メリット②低コストで導入できる
IJCADを利用するメリットの一つは、低コストで導入できることです。例えば、AutoCADの年間ライセンス費用が約7万円であるのに対し、IJCAD LTの年間料金は約3万円と、半額以下で導入が可能です。
また、IJCADは月額契約にも対応しているので、導入時の初期費用を抑えたい場合や、利用頻度に応じて柔軟に契約を変更したい場合にも最適です。
メリット③日本メーカーのサポートを受けられる
IJCADを利用するメリットには、日本メーカーならではの充実したサポート体制が挙げられます。IJCADは日本のインテリジャパンによって開発されているため、初期設定やインストール手順を専任スタッフが日本語でサポートしてくれます。
また、移行時に業務が滞らないよう、移行プロセス全体をバックアップしてくれるのも魅力です。海外製品にありがちな「サポートが不十分」「情報が少ない」という不安を解消したい方にもおすすめです。
メリット④豊富な導入実績がある
IJCADを利用するメリットの一つは、国内企業における豊富な導入実績です。IJCADは国内で累計13.3万本の導入実績を誇り、三菱、トヨタ、積水ハウスなどの大手企業をはじめ、東京国税局などの官公庁や教育機関でも採用されています。
この実績が、IJCADの優れた性能と信頼性を裏付けているため、大規模なプロジェクトや高い信頼性が求められる環境で利用したい企業にも最適です。
IJCADを利用するデメリット
IJ CADは、多くのメリットを持つ一方で、デメリットも存在します。以下では、IJ CADのデメリットを3点ご紹介します。
デメリット①2D図面作成に特化している
IJCADのデメリットの一つは、2D図面作成に特化している点です。近年、建築や製造業界では3D設計のニーズが高まり、3D CADソフトウェアの活用が一般的になっています。
しかし、IJCADで3D設計を行う場合、いくつかの制限があります。たとえば、IJCAD LTでは、3Dデータの表示は可能ですが、エディット機能には対応していません。IJCAD PROを利用すると3D編集も行えますが、高度な3D設計が必要なプロジェクトや業務では別途3DCADソフトウェアを用意する必要があります。
デメリット②情報源が少ない
IJCADのデメリットには、情報源が少ないことも挙げられます。IJCADは、AutoCADと比較すると情報源や参考資料が圧倒的に少ないです。
たとえば、IJCADは、オンライン上での解説記事やチュートリアル、トラブルシューティングの情報が限られています。また、ユーザーコミュニティも比較的小規模なので、他のユーザーの経験やノウハウを参考にする機会を得にくい点もデメリットといえるでしょう。
デメリット③処理速度が若干遅い
IJCADは、AutoCADと比較して処理速度が若干遅くなる傾向があります。特に、大規模な図面データの編集や、複雑な図形処理を行う場合にその差は顕著になりがちです。
ただし、IJCADは、スペックの低いパソコンでも比較的軽快に動作するため、簡単な図面作成や趣味での利用であれば十分な性能を発揮します。そのため、高負荷な作業を頻繁に行う場合は、処理速度の速さを念頭に置き選択する方が良いでしょう。
IJCADの導入事例

IJCADは、設計・製図業務の効率化に貢献し、多くの企業で採用されています。ここでは、IJCADを実際に導入した企業の成功事例を3つご紹介します。
| 企業名 | 主な課題 | 主な成果 |
| 株式会社淺沼組 |
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| 株式会社ビービーシー | 自社ソフトの機能・パワー不足 |
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| デーバーインフォメーションネットワークス株式会社 | AutoCAD LTにサブスクに対応できない顧客 | 顧客は最小限の学習コストで移行実現 |
導入事例①株式会社淺沼組
老舗総合建設会社である株式会社淺沼組では、CAD環境における二つの大きな課題を抱えていました。一つ目はAutoCAD LTのネットワークライセンス版が存在しないことによるライセンス管理の煩雑さ、そして二つ目は毎年のバージョンアップに伴う高額なコストです。
しかし、一方で、社内には膨大な既存のDWGデータが存在し、AutoCADに慣れ親しんだ社員も多かったため、全く異なるCADへの移行は現実的ではありませんでした。
そこで同社は、AutoCADの互換CAD導入を検討。複数の製品を比較検討した結果、IJCADの営業・サポート体制の充実度とネットワークライセンスへの対応が決め手となり、採用を決定しました。
導入後、従来500本必要だったライセンスを80本まで削減でき、管理負担とコストの大幅な軽減を実現。さらに、AutoCADと類似した操作性により、特別な教育を必要とせずスムーズな移行が可能となりました。
導入事例②株式会社ビービーシー
土地家屋調査士向けソフトウェアを開発するビービーシー社は、2000年に不動産登記用の「2in1 表示登記申請システム」を開発し、2011年には建物用の図面作成システムを追加しました。
しかし、扱う図面が次第に複雑化するにつれ、採用していた日本製CADソフトでは機能とパワーの不足が深刻な課題となっていました。
この問題を解決するため、2015年秋からIJCADの組み込み開発をスタートし、わずか半年で完了。その結果、DWG形式の図面互換性が確保され、過去の図面資産を有効活用できるようになりました。
また、ドットネット機能によるカスタマイズ性の向上も、ユーザーから高く評価されています。現在も国土地理院の数値地図データ対応やタブレット版の開発など、さらなる進化を続けています。
導入事例③デーバーインフォメーションネットワークス株式会社
デーバーインフォメーションネットワークス株式会社は、鉄筋業界向けの作図支援CADソフト「DINCAD」を販売していましたが、2016年にAutoCAD LTがサブスクリプション化されたことで、大きな岐路に立たされました。
特に、個人経営の職長が多い業界特性上、サブスクリプションに対応できる顧客が少なかったのです。
この問題を解決するため、2019年からIJCADへの対応を開始。AutoCADと類似した操作性とDWG互換性を持つIJCADは、わずか半年の開発期間で「DINCAD」への組み込みを実現しました。
その結果、ユーザーは最小限の学習コストで新システムへ移行できるようになったのです。さらに、IJCADは、鉄筋業界で多く採用されているJw_cadの互換性も高いため、で膨大な図面資産を保有する準大手ゼネコンにも対応できるようになりました。
IJCADについてまとめ
IJ CADは、国内導入実績13.3万本を誇る、AutoCADに似た操作性を持つ汎用CADソフトウェアとして注目を集めています。多くの企業で採用されており、AutoCADの操作に慣れている方であれば、IJ CADの導入もスムーズに行えます。
AutoCAD基礎セミナー講習では、AutoCADの基本操作から実務で役立つ応用操作まで2日で習得できます。受講形態は、会場での集合研修、オンライン研修、eラーニングの3種類から選択可能です。この機会に、IJ CADのスキルを習得し、業務効率化を図ってみてはいかがでしょうか。

