5軸プリンター Vol2

5軸普及の立役者「工具先端点制御」

前回紹介した動画すごいですよね~、グリグリ動いて・・・
機械を制御するためのプログラムは、どうやって作っているのでしょう?
かなり、難しいそうです
一番重要なのは、回転(傾斜)軸の中心の位置(座標)です
まず5軸に限らず、3軸でも、たぶん3Dプリンターでも・・
工作機械の制御機は、基本的に機械固有の原点位置(機械原点)を
把握しています
加工物の段取りでは、機械原点と加工物原点(プログラム原点)の
位置関係を設定します
たとえば工具を加工原点に持っていって、設定ボタンを押したりすると思います
制御機は、この機械原点と加工物原点(プログラム原点)の位置関係を考慮し
プログラムの指令点を機械原点からの位置に算出して工具を移動させ
加工していきます
ここで、軸を傾斜させた場合は加工物も傾斜してしまうので、切削点は変わってしまいます
傾斜指令を追加しただけでは、思ったように加工できません。
傾斜終了後の切削ポイントへ同時に工具を移動させなければいけません。
難しそうですが機械原点からの回転(傾斜)軸中心の座標が分かれば、
加工物が傾いても切削点を算出できますから、正常な位置指令ができます
昔は、一旦機械に加工物をセッティングしたのち、加工物中心と傾斜軸中心の距離を測定しその測定値を基に、モデル自体を傾斜させ、NCプログラムを出力していました
ようは、実際の機械と加工物の状態をCAD上でも再現していました。
かなり、面倒な作業ですね~
ところが、制御機が進化しました
この傾斜軸の中心軸座標を、制御機に設定しておくことで、プログラムの指令点を
制御機が自動的に変更してくれるようになりました
これが、工具先端点制御機能です
分かりやすい事例として、むか~し撮った動画がありましたの紹介します。

 

これは、通常動作中にでも、手動割り込みが可能になるハイデンハインの機能です
途中で傾斜軸が動き出しますが、これは「手パ」(手動パルスハンドル)で操作しています
このように、「手パ」で操作しても、工具は追従していきます
すごい機能です、重複しますが機械が自動運転している最中に、
ただ傾斜軸をハンドルで動かしているだけです
工具は勝手に、加工物に吸い付くように追従してくれます。
当時この手動割り込み機能は、ファナックにはありませんでした。

(余談ですが、英語では、[Tool Center Point Control]工具中心点制御です。)
(私はこのほうが、しっくりきますが、なぜ先端点なのか??です)
この機能のお陰で、CAMソフト開発側も含めて、5軸のNCプログラム作成が、
非常に楽になり動画のような、グリグリ動かすプログラムも
比較的簡単になりました

5軸、3Dプリンター

さて、5軸工作機械の話が長くなってしまいました、
3Dプリンターの話題に戻りたいと思います
そういえば、5軸3D・・っておかしい感じがしますね。
5Dプリンターのほうが、しっくりくるかな?
5軸加工機のように、いろんな方向から、プリントできれば、
アンダー部やサポート材など考えなくてすみます。
さらに、等高線に積み上げていく現状では、平坦な形状ではどうしても
積層の幅が広くなりプリント面がガタガタになってしまいます
そういった欠点が解消されると思います
もちろん、プリンタヘッドが形状に干渉してしまう事も考えられますが
それは、5軸加工機でも同様です
5軸機では干渉しないような、微少工具や長い工具を使用します
場合によっては、干渉しないように、モデルにフィレットを施す事もあります
プリンタヘッドもいろいろな形状が用意できれば解決できると思います
さらに、現状ある製品に、追加のプリントも可能になりますね
金属に樹脂を追加する事もできるでしょうし、追加プリントの組合せで
組み立てまで自動化できるかもしれません

なんか、いい事ばっかりですよん!
きっと何処かで開発しているはずですよね~

5Dプリンター

このキーワードで検索してみると、おっ!出来てた!
でも、キムタクのTVドラマの「安堂ロイド」に出てきた話らしい
私はこのTV見ていないので、よく分かりませんが、5軸と言うよりも
五次元の意味の、5Dのようですね
ただ、そう言う意味での4Dプリンターは、米軍が研究しているとの記事もありました
そうか「3Dプリンター」の3Dは三次元の意味だったんですかね?
私はてっきり、3軸の機械だから、3Dだと思っていました
そっか、3DCADは、三次元CADか・・・

検索を進めると!あっ、見つけた!

そうそう、こんなイメージです

さらに、検索してみると・・・
中小企業庁のものづくり支援で、研究報告が公開されていました。

中小企業庁:研究開発成果等報告書

ここの上から6項目目
「同時5軸制御Additive Manufacturing(加法的製造)によるLight Weight Structure(計量構造)の実現」
に、資料が公開されていました。

さらにさらに、調べると
もうすでに、製品として、紹介されていました

3Dプリンター

お~、国産だし、これはすごいですね~
何処かの展示会に出展されないでしょうか?見てみたいです
開発メンバーのC&Gコイズミ氏とは、顔見知りではあるので、
なにかの機会に聞いてみたいと思います
で探していたら、やっぱり出展されてたみたいです。
http://www.oi-s.com/business/enomoto20170214.html

それにしても、調べると結構動画が出てきます。
実用化には、まだまだな感じですが、5軸加工機がそうだったように
これからが楽しみですね。
動画をみると、ほとんどが同時5軸で動作しています
そうなるとやはり、ソフト・ハード共にコストは上がってきますね。
サポート材の実験でも、多少のアンダー部は大丈夫だったので
割り出し5軸(回転した後、固定で3軸動作)でもいけるようにも思いますが
エンドミルは刃があれば、形状全体で加工できますが、3Dプリンターは
ノズルからの一箇所なので、同時5軸になってしまうのでしょうか?

プリミティブ(単純形状)へのサポート方法 Vol5

ひさしみたいな、片持ち形状

今までの経験から、横穴や円柱など、閉じた形状の場合は比較的サポートは必要ない感じです。
でも、片方が浮いているような、片持ち形状は無理だろうな~。

っと言うことで片側10mmぐらいの、ひさしの形状でプリントしてみます

まぁ、これはどう考えても、無理でしょうねぇ

閉じた形状なら、Uターンする時に一旦張り付く場所がありますけど、開いた形状は空中ですからね~

まぁ、予想通り!

自動と手動サポート作成

片方はいつもやってるようにモデリング内に手動でサポート含めてみます。

このモデルを、私のプリンター「FlashForge」のスライサー「FlashPrint」へ持って行きます。

「FlashPrint」には、2種類の自動サポート機能が用意されています。
一つは、【枝状サポート】

枝の大きさなどは、設定変更できますがデフォルトでは、こうなりました。

もう一つのサポート方法は、【ライン】です

こんな感じになりましたが、今までの実験で閉じた形状ではサポート不要だったので
少し手動で間引きました。

スライス!!

まずは【枝状サポート】

【枝状サポート】の場合は、基本的には「ラフト」が必要だとメッセージが出ました。

ただ、「ラフト」は剥がし難い経験があって私はあんまり好きじゃないです。
それに、製品に接触する場所は先細りになって設置面積を小さくするような工夫がされていますがそれでも、しっかりくっ付きそうで簡単には取れないような気がします。

【ライン】のほうは、スライサーが自動サポートの部分は、かなり粗くスカスカに
設定してくれるような感じです。
シミュレーションでみても、反対側が透けてみえています。
ただ、間引くように設定しましたが、画像とは同じにはならないようです。

【自動と手動、左右に分けてプリントしてみます】


プリント終了。

【ラインの自動サポート】は、やはり粗く設定してくれていますね。

裏からみると、よくわかりますねぇ
製品に少し張り付くのは、しょうがないですが、サポート部は簡単に取り除けました
これなら、自動でやらせたほうが良さそうです。
それに、間引き処理もいらなそうですね~

左右とも、自動サポートでプリントしてみました。

スライサーが粗くしてくれるのが良くわかります。
取り外しも簡単でした。

上は、左右とも、自動。
下は、半分自動で、半分手動。
いずれも、面は荒れていますが、ほとんど、変わりません。
これなら、特別な場合を除いて【ラインの自動サポート】でいけそうです。

ためしに、球も自動でやってみる

これなら、球でもいけそうです。

実際に、印刷してみました。

ちゃんとテーブルにも張り付いて、プリントできました。
他のソフトウェアではやった事ないので、分かりませんが、「PlashPrint」結構よくできていますね
使い込んでいくと、いろいろ足りない機能もあるかもしれませんが、入門者が使うには、いいソフトだと思います。

今回の実験でわかった事

  • 横穴や四角穴。閉じた形状で30mmぐらいであればサポート不要
  • 円柱を横倒しにした形状もサポートなしでOK
  • 片持ち形状の場合は、サポートは必要だが、自動サポートで対応できる
  • 球体は設置面積が少なく、サポートなしでは、テーブルに貼り付けないが、こちらも自動サポートで対応できる
  • 「FlashPrint」の場合、幾何学的な基本形状の場合、自動サポートを使用する場合【枝】よりも【ライン】のほうが、使いやすい。

こんな感じでしょうか?
雰囲気的に、アンダー部がある形状の場合、サポートの方法で悩んだりしていましたが、ソフトウェアもかなりよく出来ているので、かなり自動でいけそうです。
そうなると、印刷方向も、アンダーをあまり気にしなくてもよくなってかなり自由度が出てきます。
また、いろいろ作る楽しみがでてきました。

プリミティブ(単純形状)へのサポート方法 Vol4

円柱はどうだろ?

横穴がサポートなしでも大丈夫だったから、たぶん大丈夫じゃないかな

やっぱり、大丈夫でした。
横穴の場合とアンダーになる順序は逆ですが、基本的には同じようなものですね。
ついでなので、手動でモデルにサポートを追加して印刷してみます

こちらも、普通に印刷できました

品質的もほとんど同等です。
横穴と同様に、円柱形状もサポートは不要なようですね

球はどうだろ?

球の場合は、アンダーカットの箇所を断面にみると、横穴や円柱と同等に思いますが
テーブルへの設置面積がまったく違います
図形的には、一点のみでの接触になりますから、多分無理だと思いますが
とりあえず、やってみます

やっぱりグチャグチャになりましたね~

いつものように、サポートも一緒にモデリングして印刷してみます

ちょっと、底の形状が悪いですが、底以外は球っぽくにはなりました。
測定してみました。
横方向は、そこそこの精度で出来ていましたが、
さすがに、Z方向は 0.8mm 程度はコブができていますね~

まぁ、やすりで頑張ればどうにかなるレベルだと思います。

結局穴でも軸でも、サポートなしでいけそう!

丸い形状なら、サポートなしでも、いけそうですね。
ただ、球の場合は、設置面積がない(図形的には、点接触)ので、
テーブルに張り付かず
サポートがないと、プリントできませんでした。
今回は、モデリングでサポートを付け加えましたけど、
次回は PlashPrint の自動サポートでもやってみようと思います。

 

プリミティブ(単純形状)へのサポート方法 Vol2

サポートなしではどうなる?

前回は、円穴形状を印刷してみました

円なので、フィラメントが空中に吐き出すタイミングはレイヤーが上がるたびに
狭くなっていきます。
それでなのか?サポートはなくても、大丈夫でした。
じゃ、四角穴の場合は・・・・
今度は、いきなり空中を直線状でフィラメントを吐き出す事になりますね
とりあえず、寸法は前回と同様の、20mm四角で10mm厚のブロックに
10mm四角の穴を開けてみました。
たぶん、フィラメントは垂れてくるだろうな~と思いながら、サポートなしで!

ここまでは、通常印刷です。
ここから、空中にはります。

垂れてこないですね。大丈夫そう。

プリントもなんなく終了。
な~んだ、10mm角ぐらいなら、サポート不要じゃん!
ただ、比較してみたいので、いつもの隙間方式でサポート追加してみます

サポート追加!

こんどは、いつものように、0.6mm隙間のサポートを追加してみました

ここから、隙間付近。
眺めていましたけど、あまりよくわかりませんね。


こっちも普通に完成!サポート材も、手で簡単にポロッと取れました。

印刷面を比較してみましょう

当然ですが、立壁面はほとんど差はありません。

でも、天井面・・空中印刷の部分・・は、予想を反して、サポートなしの右側のほうが綺麗です。

じゃぁ、寸法はどうかな?

ノギスで測ってみます。まずはサポートなしの製品。

ちなみに、ノギスなどアナログ的な測定器には、バーニアという方式で測定します。
ついでなので、ちょっと紹介しておきます
下の画像は、サポートなしの製品の立壁面(横方向)に測っている写真です。
①まず中央の物指しで、主目盛りの下の「0」が指すだいたいの目盛りをよみます
この場合、9mmより大きくて、10mmより小さい。9.5mmより若干大きい感じです
②次に、主目盛りと副目盛りが合わさる目盛りをよみとります
この場合が、7と8の間、7.5ぐらいですね
そうすると、①で9mmより大きくて、下の位(0.1mmの位)が7.5という事になり
「9.75mm 」と測定できます
こんな感じで、ノギスでは、0.05mm の単位までは測定する事ができます
モデルは、10mmなので、私のFinder では、0.25mm程度小さくなるようです。
これが、プリンターの精度になりますね
これは、経験値として、覚えておいたほうがいいですね

同様に、サポートなしの製品の、天井面を縦方向で測ってみます

ほとんど同じ、9.75mmですね
空中を通ったので、面は少し荒れていましたが、寸法的にはそれほど影響はなさそうです。

サポートありの製品

まずは、立壁面(横方向)。

こちらは、サポートなしと同じ、9.75mmです。
ちなみに、設定値10mm よりは、小さいですが、先ほどとほぼ同じ寸法なので、プリンタの精度的には再現性はありそうです。
10mmで9.75mmになるのを考慮して、モデルを作成すれば、そこそこ狙い寸法の製品をプリントできるかもしれません。
つぎに、天井面の縦方向。

う~ん、9.55mmぐらいですねぇ
やはり、さらに面が荒れている分、小さくなってしまっています
サポート材として、0.6mm隙間の形状をサポートとしたわけですが、そいつに引っ張れれるんでしょうかねぇ~?

結局!

前回同様、横四角穴も、サポートなしのほうがいいみたいです。
ただし、円穴の場合は、大きくなっても、空中プリントの部分は、徐々に短くなるので影響は少ないかもしれませんが、
四角の場合は、形状に沿って長くなっていきます
限界はあると思います
とりあえず、今回は、10mmまでの四角穴であれば、サポートなどなくていいいという結果になりました

突っ張り棒、サポート

最近、寒いですねぇ~

部屋の壁に突っ張り棒を渡して、上着を掛けていますが、ますます重くなってきています
ついに、先日落っこちてしまっていました

そうだ!3Dプリンターでサポートを作ろう!

突っ張り棒の端の部分を測定すると、40mm×70mmなので、41mm×71mmのボックスを作ろう
そいつを壁に打ち付けるけど、あまり大きな穴は開けたくないので、小さなピン(φ0.7)を使うことにします

Fusion360で設計



φ0.7ピンは、上下6本仕様にしました
さらに、取り外す時を考えて、裏側には隙間を施しました。
ここに、マイナスドライバーなどを突っ込めば、外しやすくなるはずです


こんな感じ、なるべく目立たないように、薄めにしてみました。
いずれにしても、突っ張り棒で押さえつけるので、こんなんで大丈夫だと思います

早速、Finderで印刷



できたぁ!
ピンを入れる穴は、通常プリントすると穴は小さくなる傾向にあるので、φ1.5で描きました
ちょっと、大きかったような気もしますが、ピンの頭は止まるので大丈夫
完成!早速壁につけてみます。
まずは天井と側面壁から、寸法を測って、ちょっと印をつけて打ち込みます

思わぬ、実用的な効果も・・

突っ張り棒って、長くなると重くて、一人で設置しよとするとて反対側がおっこちて、なかなか思うように設置できないですよね~
さらに、水平に取り付けるには、結構大変です
ところが、このサポートを使うと非常に簡単に設定できました
まずは、取り付ける壁にピンで固定するので、きちんと測って印をつければ単独に打ち込むので、簡単に水平に取り付けられます


耐久性は分かりませんが、ピンを6本も使っているので、かなり強いんじゃないか?と期待しています

抜きタップ

ちょっと業界用語的な言葉ですが、機械的な設計をする場合、はめ込んだ部品を取り外す機会がある場合、こんな仕掛けを施す場合があります
これば、前もって、ネジ穴をあけておきます。
通常このネジは使いませんが、取り外す時に、ここにボルトを締めこむ事で簡単に取り外す事ができるようになります
今回の突っ張り棒サポートには、取り外し用として、裏側に空洞を施しましたが、今考えれば抜きタップ仕様にしてもよかったかもしれませんね
今度は、バー載せフックでも作ろうかと、モデリングを始めましたけど、抜きタップ仕様で描いてみました


Netfabbの説明会に行ってきました!アディティブ・マニュファクチャリングを実現する為に

金属造形の現状

現状では金属を削ってモノを作る方が、「時間」も「コスト」も少なく済みますが、10年後には「コスト」が下がり、「時間」も短縮され、金属加工業であたり前のように金属3Dプリンターを活用した「ものづくり」を行っていることが予測されています。我々も、そろそろ次の時代を見据えて準備を始めないといけません。

今回は、現状の金属造形3Dプリンターが活用される為に必要な技術に焦点を当ててご紹介していきたいと思います。

アディティブ・マニュファクチャリングとは

Additive Manufacturing:積層造形 

金属3Dプリンターの加工方法には次の2種類があります。
① レーザーを照射して粉状の金属を溶かしながら積層するパウダースプレー式。DMG森精機やヤマザキマザックが採用したのがスプレー式です。
② 加工台に金属粉を敷き詰めて固めたい部分にレーザーを照射して成形するパウダーベッド式。

速度はスプレー式、精度はベッド式が優れているとされています。こちらは樹脂でもおなじみですね。
造形時の問題点としては、樹脂と違い重量があることや温度変化による歪み、サポート材を外すことに非常に労力が必要なこと、などが挙げられます。

Netfabbとは

Netfabbは、3Dプリントを対象とした3Dデータの編集・修正、を行うためのソリューションソフトウェアです。
3Dプリントの際に問題となる、ソリッドモデル化、メッシュ容量の削減、中空化モデルの作成からパーツ同士の干渉チェックなど、3Dプリントのプロセスで必要となるモデル編集を行えます。これはまだ基本的な部分ですね。

Netfabbのすごいところは、解析とモデルへの反映にあります。
造形後形状の予測解析を行い、歪み補正を元データに反映させたり、ラティス構造を自動計算してくれるだけでなく、結果に対して強度不足の箇所を解析し、必要な個所を太らせるような処理も行ってくれます。ラティス構造を計算するWithinというソフトがあったのですが、そちらが統合されています。複数ヘッドの3Dプリンターにも対応しており、10個のヘッドを同時に制御することも可能です。

●3Dプリント時のサポート材計算
また、金属プリンターとなると、サポートも剥がす作業が大変なのですが、できるだけ仕上げ面に干渉しないようなサポートを計算してくれます。

●歩留りの計算
樹脂も金属も、パウダーヘッド方式だと歩留まりを計算したいところです。Netfabbではこちらも搭載されており、3Dの歩留まり計算で最適な結果を得ることができます。

ジェネレーティブデザイン

ジェネレーティブデザインとは、コンピュータが自己生成的にデザインを生み出す技術として知られています。2016年にオートデスク社が発表した「Dreamcatcher」は、解析技術の延長でしかなかったトポロジー最適化よりも、コンピュータが自己生成的にデザインを生み出すというコンセプトになっています。

●シェイプ最適化・トポロジー最適化
ジェネレーティブデザインの基本となる機能です。近年の3DCAD業界では、各社「シェイプ最適化」機能を発表しています。上記の「Dreamcatcher」ほどのことはもちろんできませんが、どのように荷重解析を行い、形状を最適化させるか、検証する価値は十分にあると思います。

おすすめは「Autodesk Fusion 360」を無料ダウンロードして試してみることですね。タダで試せるとは、恐ろしい時代ですね!

ではまた次回!

設計・製造ソリューション展(DMS)で砂型積層3Dプリンターを見てきました

新しい3Dプリンターの展示

設計・製造ソリューション展(DMS) 2017では、HP社のボクセル形式3DプリンターJet Fusion、中型の高精度3DプリンターRAISEなど、様々な実務利用に向けた3Dプリンターが発表されていました。
ジェネレーティブデザイン、アディティブマニュファクチャリングが現実味を帯びてきています。
コストとスピードをクリアした時点で、製造業のあり方も大きく変わることになります。

インダストリー4.0というと壮大なテーマですが、これらの技術が一般的に利用できる時代に向けて、準備を始める時期に差し掛かってきているのではないでしょうか。

砂型積層3Dプリンター

今回は、その中でもかなり実用化が進んでいる「砂型積層3Dプリンター」について取り上げてみました。
簡単に説明すると、砂を積層造形方式で3Dプリントしていくのですが、製品との境界のみ硬化させ、中身の砂は未硬化で再利用できるシステムになっています。価格も9,000万円程度になっていますので、レーザー焼結と5軸加工の複合機(数億円)と比較して導入しやすい金額になってきていると言えます。

<SCM-800>

実際に約60kgの大型鋳物を製作する期間が、木型工法だと約1か月のところ、積層工法だと約3日、と最大工期短縮90%という驚くほどのメリットが出ています。

造形手順としては、「砂を敷き詰める」⇒「バインダを砂に噴射→造形テーブルが一層下がる」を繰り返す⇒「新たな層の造形の為砂を敷き詰める」といった工程になります。
鋳物で製作されている部品の代表例としては、インバーターケース、シリンダーヘッド、ターボチャージャー、シリンダーブロック、マニホールドなどが有名です。現在では、内部構造の高効率化で、内部設計データがかなり複雑になってきており、薄肉などの対応には砂型積層3Dプリンターが最適なパーツが増えてきています。
積層砂型といえばコイワイ様が有名ですが、展示物も半分ほどご提供されていました。

鋳物業界(製造業全体かもしれませんが)の現状としては、3Kと言われていますが、3Dプリンターの導入でかなりイメージが変わってきているようです。後継者不足の問題も、3Dデータ作成などのデジタルとの融合で、若者イメージも良くなってきているようです。

砂型積層3Dプリンターのメリットまとめ

◆マスター型が不要。3Dデータから直接造形可能
◆薄肉・高精度鋳造物の製作が可能になる
◆従来の木型、砂型反転工法でできなかった構造も製作可能になる
◆熟練の技術を3Dデータに置き換え可能
◆「3Dプリンター」で若者のイメージが良くなることで、後継者不足を解消!

型を3Dプリンターで製作することは、強度、品質において非常に重要なことだと感じています。砂型積層3Dプリンターが広がることで、熟練の技術をしっかりと受け継いでいけると良いですね!

製品を取り外す時の、バリバリ!どうにかならないか?

3Dプリンター暦は、まだ2ヶ月ヒヨッコなので、
まだ良く分からない事ばかりですが、印刷後とまどったのがテーブルと製品の張り付き具合です。
私の、Flash Forge Finder は、最初からビルドシートが貼ってありました。
最初のうちは、半自動の機能で水平出しを行えは、綺麗にできていましたが形状にもよりますが、だんだん、張り付き具合が悪くなり途中で反りが出て、最悪剥がれて、エクストルーダーにフィラメントが巻きついたりしてしまった。
それで、説明書には何も書いてなかったけど、付属についてきた、スティック糊を、テーブルに塗って、印刷したところ、

おぉっ、なかなかいい・・・反りもほとんど出ない。
ただ、ふき取りの有無や時期がよくわからないのでとりあえず、一日使うとウェットティッシュでふき取っています
ところが、やっぱり形状によってですが、テーブルとの設置面積が広いと張り付いてしまい、ペンキをはがすスクレイパーを買ってやってますが
無理すると、テーブルを傷つけてしまったり・・・

それで、スライサーのオプションにあった、ラフトをつけてみるとテーブルからは剥がれやすくなったけど、今度はラフトと製品がなかなか剥がれない。

酷いと、ラフトの密度が製品よりも粗くなっているようでこいつがスクレイパーやニッパではぜんぜん取れなくなってやすりでザリザリそげ落とすことも・・・

う~んどうにかならないかなぁ~
そうだ、ラフトの印刷が終了し、製品部分の印刷が始まるタイミングで何かすれば、どうにかなるか?
っという事で、Gコードをいじくって、何かする事に・・・

次回に続く・・・

[最新の3Dプリンター活用事例] 樹脂金型の水穴を3Dプリンターで作成

製造業において3Dプリンターの導入は続々と進んでいます。

先日日本で発売が開始された、HP社のJet Fusion 3Dは従来のSLS(粉末焼結積層造形)方式の10倍の速さでナイロン素材をプリントできるなど、3Dプリンターの技術は目覚ましい進化を遂げています。

また、最近ではモックアップも最終製品に近いリアルモックアップが作成されていたり、最終製品を3Dプリンターで作成されている事例もあります。

自動車メーカーのダイハツは「コペン」のカスタムパーツを3Dプリンターで作成しており、また、ヨーロッパの航空会社エアバスはパーツの作成に金属3Dプリンターを用いることで製造にかかる材料消費量を75%、CO2を40%まで削減に成功しました。

利用用途を様々な領域に広げつつある3Dプリンターですが、金型の冷却用の水穴を3Dプリンターで作成することで効率化をはかれる可能性も秘めています。

樹脂金型で成型する工程の中で一番長く時間をかけているのが冷却時間です。
そこで、従来の切削加工では不可能だった、より冷却しやすいスパイラル形状の冷却穴の作成が検討されています。3DCADと樹脂流動解析ソフトウェアを組み合わせ冷却回路の計算とモデルの作成を行い、3Dプリントすることでそう言った水穴作成が可能となります。

もちろん、現状では金属を削って金型を作るほうが、時間もコストも少なく済みますが、将来的な量産用金型の形としては非常に面白い試みで、10年後にはコストが下がり、今までより早いモノづくりができるようになっている可能性も十分にあります。

3Dプリンター活用の幅はどんどん広がっていきます。
今後の3Dプリンターの技術発展が楽しみですね。

3Dプリンターのテーブルの水平を確認するG-codeを作ってみた

E指令がだいたい分かったので、テーブルの水平を確認するプログラムを作ってみる

テーブルの8割ぐらいの外周から、フィレメントを出しながら

内側に3周するようなプログラム

均一にフィレメントが載れは、水平だしは、問題ないとします

私のFinder は、角140mmのテーブルなので、100mmの四角から内側に入るような

動きにしよう。

FlashPrint が吐き出すコードと同様に、最初の外周のみは、

通常の3倍程度フィレメントを多く出すことにします。

作成したG-codeはこんな感じ

;start gcode
M118 X50.00 Y50.00 Z10.00 T0
M140 S0
M104 S210 T0
M107
G90
G28
M132 X Y Z A B
G1 Z50.00 F400
G161 X Y F3300
M6 T0
M907 X100 Y100 Z40 A80 B20
M108 T0
G1 X40.00 Y40.00 F4800
;preExtrude:0.20
G1 Z20.0 F400
G1 Z2.0 F100
G1 Z0.20 F40
;preExtruder:0.145L
G1 X50.00 Y50.00 F1800
G1 X-50.00 Y50.00 E14.5 F1200
G1 X-50.00 Y-50.00 E29.0
G1 X50.00 Y-50.00 E43.5
G1 X50.00 Y50.00 E58.0
;start:0.05L
M106
G1 E56.7 F1800
G1 X40.0 Y40.0 F1800
G1 E58.0 F1800
G1 X-40.00 Y40.00 E62.0 F800
G1 X-40.00 Y-40.00 E66.0
G1 X40.00 Y-40.00 E70.0
G1 X40.00 Y40.00 E74.0
;0.05L
G1 E72.7 F1800
G1 X20.0 Y20.0 F1800
G1 E74.0 F1800
G1 X-20.00 Y20.00 E76.0 F600
G1 X-20.00 Y-20.00 E78.0
G1 X20.00 Y-20.00 E80.0
G1 X20.00 Y20.00 E82.0
;end
M107
G1 E80.7 F1800
;end gcode
M104 S0 T0
G162 Z
G28 X Y
M132 X Y Z A B
G91
M18

これを、FlashPrint にドロップすれば、思惑通りの動きがシミュレートされます

でも本当は最初はうまくいかなかった。

実は、G-code を入力するとき、各指令のワードをくっ付けていました

そうするFlashPrint はうまく読み込めないみたい。ワードはスペースで区切ったほうがいいみたい

早速プリント。

最初の外周は、フィレメント量も3倍なので、結構いい感じで進んでいます

内側に入ると、はがれてきた。

再度、内側だけスピードを落として

ちょっとZを下げて(Z0.2 ⇒ Z0.15)みたけどあまりかわらなかった

でも、まぁ、外周がこれだけ張り付いていれば、テーブルの水平はOKじゃないかなぁ

これで、ランニング運転用と、テーブル水平だし用と、テーブル確認用のプログラム完成

Finder は一度実行すると、本体側にプログラムは保存されているので

いつでも、実行できます。