製品を取り外す時の、バリバリ!どうにかならないか?Vol.2

印刷した後のバリバリ対策
http://seizo-net.com/2017/07/12/792/

第二弾
ラフト印刷の後、ワンクッション置いてみてはどうだろうか?
・ラフトのあと、ちょっと止めて、冷やしてみては?
・ラフトのあと、濡らしてみる。
・ラフトの面上に、何か貼る。


★まずは、G-code

こんな事をやってみます
ラフトの後に動作を加えるには、やっぱりG-code をいじるしかないですね
たぶん、オープンソースのスライサーであれば、出力された G-code はテキストエディタで編集可能だと思いますが、私のFlash Forge の Flash Print は通常のテキストエディタでは編集できません。ヘッダー部分のバイナリーデータ部分で何か処理しているみたい。
しょうがないので、Flash Print のデータを編集できるようなソフトはつくりました

FlashPrint エディター


もしかすると、他の3Dプリンターの専用スライサーも同様かもしれませんね
このソフトでFlash print で出力したG-code をみてみると、「;raft」のコメントが見つかりました。おそらくこの部分がラフトの部分だと推測できます



;layer:0.40
G1 Z.40 F400
;support-start
;raft
G1 X15.00 Y15.00 F4200
G1 X-15.00 Y15.00 E28.2778 F600

その上の行の、「G1 Z.40」で積層レイヤーの高さがわかります
ただ、ずっと下部の行をみていくと、「;raft」は数レイヤーにあってラフトの最後を探すのは結構面倒です。なので最新版の自作のソフトは文字キーで検索できるよう改造しています
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/business/se515894.html
検索文字キーを「raft」にして検索していくと、ラフトが終了して実際の製品部分に入る時には「;Shell」のコメントになっているのがわかりました



G1 X14.57 Y-14.80 E344.4879
;percent
;support-end
;layer:0.28
G1 Z1.28 F400
;shell
M106
G1 Z1.48
G1 E343.1879 F1800

したがって、この「;Shell」のレイヤーのZに上がる前までが、ラフトの部分だと思われます。ここに来たら、Z軸を退避させて、とりあえず止って待つようなG-codeを追加します。
そうすることで、プリンタはラフトの印刷が終わると、上に上がって止って待っている状態になるはずです。
一旦停止するG-codeは「G04」のコードです。これに、「P」+「停止時間(ミリ秒)」を負荷して指令します
たとえば、1分停止させたい場合は、「G04 P6000」となります
Z50.に逃げるコードとこのコードを「:Shell」のレイヤーの前に追加します

;layer:0.28
G1 Z50. F400
G04 P6000

G1 Z1.28 F400
;shell

これで、Shell に入る前に、Z50.位置へ退避した後、1分間停止します
ここで、プリンタ本体の「ポーズ」ボタンを押すと、私のFinder は一旦ホームポジションへ戻る動作をします。
この本体の「ポーズ」ボタンでの動作は、機種で違うかもしれません。
場合によっては、その場所で停止状態もままかもしれません。
この時点で、「何か!」すればいいです

まずは、そのまま、一時停止を続け、冷やしてみます




その後、本体の「スタート」ボタンを押すと、「ポーズ」を押した場所(Z50.の場所)に戻り
Z1.28 まで下がり、無事に印刷が始まりましたさぁ、冷やした効果は???
う~ん、気持ち剥がれやすくなったでしょうか?
あまり効果は感じませんでした

「ポーズ」したあと、一時停止で室温で冷やすでけでなく、ロフト上面をウェットティッシュで拭いてみました




ちょっつ濡れた状態になったので、どうなるのか心配でしたが、普通に印刷終了
その効果は?
う~ん、冷やすよりは剥がれやすくなった気もしますが、やっぱり、バリバリとなりますね
でも、何もしないよりは、効果はあると思います

今度は、「ポーズ」した後、ロフトの上に布製のガムテープを貼り付けてみました




果たして、ガムテープは210度の熱でどうなるか??
不安でしたがなんてことなくて、印刷終了



その効果は?
おぉっ、途中の反りもなく、つるんと剥がれました



こいつは、すごいです
気になる事といえば、一旦停止して、ガムテープを張ったりする間
フィラメントが若干、垂れ流し状態になり、再スタートしたときに
最初の部分に、垂れ流しのフィラメントが巻きついたりして、若干凸凹になります
ロフトの直後なので、製品では一番底になりますし、バリバリをやすりで削り取る事を考えると問題は少ないと思いますし、ぜんぜん綺麗です



それでも気になる場合には、停止する位置を、ロフトが終了した直後でなく
ロフトの印刷を少し残した位置にすれば、その垂れ流しは、残りのロフトに着くので
製品には付きにくくなるかもしれません
いずれにしても、ガムテープはかなり優れものです

 

っと実験をやってきて、ふと思った
G-code を編集して、ロフトの直後に細工してみたけど
もしかしてぇ~

次回に続く

設計・製造ソリューション展(DMS)で砂型積層3Dプリンターを見てきました

新しい3Dプリンターの展示

設計・製造ソリューション展(DMS) 2017では、HP社のボクセル形式3DプリンターJet Fusion、中型の高精度3DプリンターRAISEなど、様々な実務利用に向けた3Dプリンターが発表されていました。
ジェネレーティブデザイン、アディティブマニュファクチャリングが現実味を帯びてきています。
コストとスピードをクリアした時点で、製造業のあり方も大きく変わることになります。

インダストリー4.0というと壮大なテーマですが、これらの技術が一般的に利用できる時代に向けて、準備を始める時期に差し掛かってきているのではないでしょうか。

砂型積層3Dプリンター

今回は、その中でもかなり実用化が進んでいる「砂型積層3Dプリンター」について取り上げてみました。
簡単に説明すると、砂を積層造形方式で3Dプリントしていくのですが、製品との境界のみ硬化させ、中身の砂は未硬化で再利用できるシステムになっています。価格も9,000万円程度になっていますので、レーザー焼結と5軸加工の複合機(数億円)と比較して導入しやすい金額になってきていると言えます。

<SCM-800>

実際に約60kgの大型鋳物を製作する期間が、木型工法だと約1か月のところ、積層工法だと約3日、と最大工期短縮90%という驚くほどのメリットが出ています。

造形手順としては、「砂を敷き詰める」⇒「バインダを砂に噴射→造形テーブルが一層下がる」を繰り返す⇒「新たな層の造形の為砂を敷き詰める」といった工程になります。
鋳物で製作されている部品の代表例としては、インバーターケース、シリンダーヘッド、ターボチャージャー、シリンダーブロック、マニホールドなどが有名です。現在では、内部構造の高効率化で、内部設計データがかなり複雑になってきており、薄肉などの対応には砂型積層3Dプリンターが最適なパーツが増えてきています。
積層砂型といえばコイワイ様が有名ですが、展示物も半分ほどご提供されていました。

鋳物業界(製造業全体かもしれませんが)の現状としては、3Kと言われていますが、3Dプリンターの導入でかなりイメージが変わってきているようです。後継者不足の問題も、3Dデータ作成などのデジタルとの融合で、若者イメージも良くなってきているようです。

砂型積層3Dプリンターのメリットまとめ

◆マスター型が不要。3Dデータから直接造形可能
◆薄肉・高精度鋳造物の製作が可能になる
◆従来の木型、砂型反転工法でできなかった構造も製作可能になる
◆熟練の技術を3Dデータに置き換え可能
◆「3Dプリンター」で若者のイメージが良くなることで、後継者不足を解消!

型を3Dプリンターで製作することは、強度、品質において非常に重要なことだと感じています。砂型積層3Dプリンターが広がることで、熟練の技術をしっかりと受け継いでいけると良いですね!

最近話題のクラウド3DCAD「Fusion 360」のドラフト機能(図面機能)を徹底的に使ってみた。

3D設計を推進し2D図面レス化を図る企業も増えてきているかと思いますが、加工指示を出すときなど2D図面を使う企業はまだまだ多いです。
そこで、日本の製造業において重要な役割を持つ2D図面が、最新のクラウド3DCAD「Fusion 360」でどれくらい使えるのか、Fusion 360のドラフト機能(図面機能)を徹底的に使ってたのでご紹介したいと思います。

Fusion 360は、Autodesk社が提供している高機能なクラウド3DCADソフトです。
3DCAD機能に加え、3DCAM、レンダリング、解析、アセンブリ、2次元図面などの機能が搭載されています。
さらにライセンス費は年間35,640円と、従来は数百万円した3DCADと比べかなり安価です。

これだけ安く使えるソフトなので、どうせ図面機能もあまりついていないんじゃないかと思いながら使ってみたのですが、なかなか使えるソフトでした。

今回チェックした機能
・ビューの投影
・中心線、補助線
・寸法、注記、指示記号
・部品関連
・出力
・その他の設定

では、一つ一つ機能を紹介していきたいと思います。

ビューの投影

Fusion 360は、3Dモデルを基に2次元図面を作成します。
3Dモデルを図面に投影するだけで、簡単に三面図とアイソメを作成することができます。

また、ビュー同士はリンクしているので、尺度や位置を変更すると同じように他のビューにも変更が反映されます。
さらに、3Dモデルと2次元図面がリンクしているので、3Dモデルを変更すれば2次元図面も自動で変更することができます。
このあたりは図面機能が付いてる他の3DCADと同じですね。
その他に、断面図と詳細図を作成する機能がありますが、部分断面図の機能はついていないようです。


中心線、補助線

線を書く機能として、「中心線」「中心マーク(円や円弧の中心)」「エッジ延長」の3つがあります。
任意の線を書いたりすることはできません。
また、中心線の機能がエッジを2つ選択してその間に中心線を書いてくれるのですが、以下の図のような場合はモデル全体に中心線を書くことができませんでした。

一度作成した中心線を延長することでできますが、長さの微調整などがちょっと手間です。

寸法、注記、指示記号

寸法や注記、指示記号は簡単に入れることができます。
それぞれの機能一覧です。

寸法にはもちろん公差や記号を入れることがきます。
テーブル機能については、エクセルのように四則演算が使えるのですが、セルの結合機能がありませんでした。

部品関連

3Dモデルでアセンブリを定義しておけば、簡単に部品表を作成したりバルーンを配置することができます。
部品表の表示される内容は、「部品番号」「数量」「部品名」「説明」「マテリアル」の5項目です。
部品表のカスタマイズはできず、直接部品表に文字を入れたりすることもできないようです。
さらに、バルーンを配置するときはビュー内の部品をクリックしていかなければならないので少し手間です。

ビューをクリックすれば自動でバルーンを配置してくれる機能があれば楽ですね。
分解図は3Dモデルをアニメーション機能を使って分解しておけば作成することができます。

出力

作成した図面はDWGとPDFに変更することができます。
その他、部品表をCSVファイルで出力したり、作成した図面をテンプレートとして保存することもできます。

その他の設定

最後に細かな設定をご紹介します。
以下の設定を変更することができます。

製図企画は「ISO」と「ASME」、単位は「mm」と「in」、投影角度は「第一角法」と「第三角法」があります。


いかがだったでしょうか。
かなり厳しい目で見たので出来ない点も浮かび上がってきましたが、業務でも問題なく使用出来るレベルだと思いました。

無料体験版もありますので、皆さんも是非試しに使ってみてください!

製品を取り外す時の、バリバリ!どうにかならないか?

3Dプリンター暦は、まだ2ヶ月ヒヨッコなので、
まだ良く分からない事ばかりですが、印刷後とまどったのがテーブルと製品の張り付き具合です。
私の、Flash Forge Finder は、最初からビルドシートが貼ってありました。
最初のうちは、半自動の機能で水平出しを行えは、綺麗にできていましたが形状にもよりますが、だんだん、張り付き具合が悪くなり途中で反りが出て、最悪剥がれて、エクストルーダーにフィラメントが巻きついたりしてしまった。
それで、説明書には何も書いてなかったけど、付属についてきた、スティック糊を、テーブルに塗って、印刷したところ、

おぉっ、なかなかいい・・・反りもほとんど出ない。
ただ、ふき取りの有無や時期がよくわからないのでとりあえず、一日使うとウェットティッシュでふき取っています
ところが、やっぱり形状によってですが、テーブルとの設置面積が広いと張り付いてしまい、ペンキをはがすスクレイパーを買ってやってますが
無理すると、テーブルを傷つけてしまったり・・・

それで、スライサーのオプションにあった、ラフトをつけてみるとテーブルからは剥がれやすくなったけど、今度はラフトと製品がなかなか剥がれない。

酷いと、ラフトの密度が製品よりも粗くなっているようでこいつがスクレイパーやニッパではぜんぜん取れなくなってやすりでザリザリそげ落とすことも・・・

う~んどうにかならないかなぁ~
そうだ、ラフトの印刷が終了し、製品部分の印刷が始まるタイミングで何かすれば、どうにかなるか?
っという事で、Gコードをいじくって、何かする事に・・・

次回に続く・・・

インダストリー4.0 を意識して、展示会へ行ってみた

「インダストリー4.0への挑戦」と言う私には荷が重いサブタイトルですが、インダストリー4.0のキーワード自体は以前から気にはなっていた単語ではあります
はたしてこれは何なのか?ほとんど理解できていないのですが、私なりの理解で昨年11月のJIMTOF2016、今年4月のインターモールド2017を視察した感想を書いてみたいと思います

各工作機械メーカーさん、インダストリー4.0やIoTを意識してか、繋げるをテーマにした出展が多かったように思いました
かなりのメーカーさんが、機械を既存のネットワークにつなげて、稼働状況や機械の状態をリアルタイムに監視する実演を行っていましたね
MAZAK SMARTBOX


メーカーさんへ聞いてみた

 

あるメーカーさんに質問したところ、すでに機械内部の状態はかなりの情報が出力できるようになっているようです。
ただ出力された大量のデータ(ビッグデータ)をどのように処理し、どのように利用するかが今後の課題であるとの事でした
まだまだ、メーカーさんの開発も発展途上のようですね

出展では、稼働状況・保守・メンテナンス・トラブル予想などが多かったように思いました
特に、稼働状況の見える化の展示は多かったです

機械からのビッグデータを利用して機械のモーターやガイド部、ボールネジなどの状況を、リアルタイムに分析し、機械にトラブルが起きる前にメンテナンスや問い合わせを促すシステムもありました。
こちらは、コストにもよりますが生産側にとってもメリットありそうです
機械の故障は持ち機械が少ない町工場では死活問題にもなりますから、ユーザーがあまり意識することなく、トラブルが回避できればいいですね


加工の状態がリアルタイムにしりたい

 

稼動ではなく加工状態の見える化や自動調整機能はどこまで進んでいるのでしょうか?
加工中のビビリを分析し、自動的に加工条件を変更するような機能もありました
加工ナビ

工具破損検出はマシニングセンターの場合、加工前と加工後の工具長比較での判断が一般的ですが、ワイヤーカットのように、加工途中リアルタイムに破損を検出し、自動的に類似工具と交換し破損場所から自動再スタートできる機能はないのかな?
私が知らないだけかもしれませんが、特に小径工具での加工の場合には、ほしい機能です


標準化してもらいたい

 

繋がる機械も自社機械だけでなく、他社の機械もつなげられるシステムも出展されていました
オークマさんの場合は、GEと協業し「PREDIX」というシステムを組み込んでいるみたいですね。「PREDIX」の、CNCへのインストールそのものは無料らしいですね
monolist からリンク

家電やPCのコネクターの規格ではないですが、各メーカーが独自でやっていると、ユーザー側は戸惑ってしまいます。
統一化されて、いろいろなメーカーの工作機械が簡単に接続されるようにならないと中小企業までの普及はまだ先のように思います


町工場ネットワーク

 

インダストリー4.0の目指すキーワードの一つに、スマート工場的な情報もありましがこれも小さい会社が一社だけでは、程遠い話です
ただ最近、町工場同士のネットワークの話題をよく耳にします
この町工場ネットワーク郡をスマート工場的にできれば、面白いんじゃないでしょうか?
まずは、各工場の加工状況見える化で、メンバー工場の持ち機械の状況が把握できれば、自分ところで対応できない加工でも、メンバーの空き設備を利用して加工できます
CAD/CAMなどの図面データは、クラウド化によりメンバー間で共有できます
NCデータを機種に応じて自動変換できれば、NCデータ付きで加工依頼ができデータ作成のロスタイムをなくす事ができます
3Rやエロア、LANGなどの汎用治具をメンバーで共有化すれば、段取りロスも少なくなり途中工程での依頼や割り込み対応も可能になりますね
町工場エリア内で製品を搬送する専用搬送業さんもほしいなぁ
もし、町工場エリアが整理されて、自動車の自動運転システムが進歩すればエリア内で、自動搬送システム的に、トラックが自動納品できるかもしれませんね
特殊技能をもっている小さな会社が、皆で協力しあって大きな仕事する現在の下町ネットワークがさらに進化してインダストリー4.0になりませんかね~?

今回はインダストリー4.0のキーワードで、こんな事を思いながらの見学でした

 

未来のIT大国「中国」が取り組む人工知能開発とは

過去に比べて大きな経済的な発展をみせている国の一つに、中国を上げる人は多いでしょう。
世界2位で約1,100兆円のGDPがありながら、年7%以上の驚異的経済成長を見せています。
驚異的経済成長の基盤になっているのは、安価で雇った労働力。
「安く多く」を基軸にした工業製品を生産していました。

しかし工業製品中心で戦ってきた今までの中国と違い、近年の中国は少しずつ変化しつつあります。
ドイツにあるIT調査団体が2013年に発表したレポートによると、世界のITに投資している総額は3兆5000億で、そのうち中国が占めている割合は9.5%であることが判明しました。
世界ナンバーワンの約30%を占めるアメリカにはまだまだ及ばないものの、約8%であった日本よりも大きな投資が行われていることが明らかになっています。

いまやIT大国となった中国が注目しているのが「人工知能」です。
中国を代表する「Alibaba」や「Baidu」といった企業も軒並み人工知能開発へと着手し始めています。
中国IT界の「巨人」ともいえる二社は、国内市場から手に入れた圧倒的な資金力を元手に、人工技術開発を加速的で進めているのです。

近い未来に中国が世界を代表するような人口知能を開発して、世界ナンバーワンのIT大国になる将来も不可能ではありません。

進化する中国のAI技術

中国を代表するIT企業「Alibaba」のグループ会社で、人工知能開発に関する研究を行っている「Aliyun」。
同社は新しい人工知能を搭載したサービスを発表しました。
サービス名は「DT PAI」と呼称され、「Amazon」が提供しているサービスのようにビジネス向けにビッグデータを分析・解析するためのサービスとなっています。

「DT PAI」の最大の特徴は、人工知能の技術のひとつである「ディープラーニング技術」を活用して、利用者のクラスタリングや特徴といったビッグデータ解析を、超高速で行えることです。
「Baidu」の発表によると、100ペタバイト近くのデータ量を約6時間で処理することが可能になりました。
操作も簡単で、ドラッグ&ドロップだけの操作で行える点も大きな特徴です。

「DT PAI」を利用することによって、企業側は自らビッグデータ解析のためにインフラを整える必要ありません。
簡単かつ手軽にお客さんの行動予測や分析といった複雑な処理を行うことができるのです。
さらにレコメンド機能や需要を予測するシステムなどを自社のサービスに活かすことが可能になりました。
「Alibaba」は「Aliyu」に対してすでに10億ドル以上の投資を行っており、今後もさらなる進化が実現すると考えられます。

製造業における3DCADの市場動向

3DCADは1980年代から本格的に製品が出てきましたが、ハイエンドからミドルレンジ、さらにはローエンドのものと展開が進み、ソフトウェアもその時々のトレンドに応じて統合や廃止、また新規で作成されるなどの変化があり、製品としては洗練され、市場としては成熟感が増してきました。

それゆえに、これまで国内のCAD/CAM/CAEシステム市場は成長を続けてきていましたが、近年はそのペースも落ちてきました。
一時期顕著だった2Dから3Dへの転換もひととおり導入が進んだこともあり、今後、市場を拡大していくには、新たな3DCADの適用先をいかにして増やすかがカギとなってきます。最近では3Dプリンターの流行で、安価な3DCADが流行していますが、この流れにも乗って大手のCADメーカーでは対応も進んでいます。

サブスクリプション方式(期間ライセンス)への転換

また、市場の鈍化がみられるこの状況下で、大手のCADメーカーはソフトウェアの利用形態を永年ライセンス+バージョンアップライセンスといったものから、サブスクリプション方式(期間ライセンス)に転換しつつあります。
このため、一時的に市場は下降傾向になるといわれています。

これには日本でのサブスクリプション方式は、企業がまだ慣れていないため、永年ライセンスでの使用をできるだけ引き延ばすという会社が増えるためと思われますが、いずれハードウェア、OSの切り替え/バージョンアップなどの際にはサブスクリプション方式しか残っておらず、最終的には移行が進むと思われます。

サブスクリプション方式は年間単位での契約が多いですが、月額を設定しているものもあります。
これにより柔軟な数量の確保が可能となりますのでその点はメリットとなりますし、永年ライセンスの価格をそのまま初期投資として計上すると費用もかかりますが、サブスクリプション方式では、製品よりも数分の一の価格に設定してあることや、バージョンアップライセンスと足して考えると開きも縮まるため、ライセンス形態を見直す企業も増えています。
また、導入時にはクラウドでの利用可能なものも含まれている場合もあり、この形態での利用は3DCADの場合には、高速なレンダリングなどがクラウドサービスによって得られるのであれば、個々で高価なハードウェアを用意する必要が減るため、利用が進むと思われます。

ただし、やはり中小企業であれば、導入本数も少ない場合が多く、なかなか切り替えられないという面もやはり存在します。

3DCADの今後の展開は?

CAD/CAM/CAE全体的な市場規模では2016年度の成長予測で前年比4.8%増と予測されており、伸びている状況ではあります。
建築系の需要で大きなところはやはり東日本大震災からの復興需要とされていますが、これに加えて2020年までは東京オリンピック需要も重なり、引き続き伸びる予想となっています。

3DCADの今後の展開としては、いかにして3DCADデータの入力を簡単にするかがポイントとなってきます。
2Dからの入力だけではなく、3Dスキャナなどを用い、直接3Dデータを作成するなどの発展がされれば、3DCADのトレーニングを受けた人だけではなく簡単に3DCADを利用できる環境ができてくると思われ、さらなる導入のポイントとなる可能性があります。

また、最近ではクラウド化の流れもありますが、設計データの共有や管理方法の変化、また、データの流用などに特化したPLMシステムなどの管理系のアプリケーションを利用することで、さらなる顧客との距離が縮まっていきます。
カスタマイズパーツなどのデザインをエンドユーザー側で行い、メーカー側は既存の部品への結合部分だけのものをベースとしてデザインしておくなどのより対話的な環境も利用されていくのではないかと思われます。