Fusion360はトランスレータとしても優秀!

Fusion360! こんな高機能なCADをトランスレータだとぅ

コストのみならず、非常に高機能な Fusion360 をトランスレータだと言うのか!
と怒られそうですが、他企業と3D-CADデータでやりとりし、連携しながら仕事を進める場合、CADデータの互換性は非常に重要になってきます
一昔前、車のボディやドア、インパネなどの金型を製作している会社さんは顧客である車メーカーが使用しているすべてのCADをデータ変換目的で設備していると聞いた事があります。
当時はまだまだ、3D-CADは高価で1000万円以上した時代です
他CADとのデータの受け渡しを可能にする中間フォーマットとして『IGES』と言うデータ形式がありますが、完璧ではなく車などの複雑な3Dモデルにおいては、変換トラブルも多く不十分だったようで効率を考えると、相手と同じCADを設備したほうがまだよかったと言う訳です

サーフェスとソリッド

3Dモデルの表現方法としては、「ワイヤーフレーム」「サーフェス」「ソリッド」があります。
「提灯」を通常のような「紙」と「粘土」で作った場合をイメージしてください

「提灯」の骨組みの竹ひごの部分が、「ワイヤーフレーム」でそれに貼られた紙がサーフェスです
その提灯と同じ形を粘土で作った物が、「ソリッド」のイメージです
普通の提灯は空洞ですが、粘土提灯は固まりです
さて、この紙の提灯と粘土の提灯形状の物に、鉛筆を突き刺してみます



紙の提灯には、鉛筆の径で穴が開くだけですが、粘土の提灯には鉛筆の形状が凹として残ります





この粘土提灯に鉛筆を突き刺した形状と同形状を、紙の提灯で作るのは非常に大変です
開いた穴のところに、鉛筆の胴や先っぽの部分の形状の骨組みを作成し、それに紙を貼り付けなくてはいけません
サーフェスでの3Dモデリングの作業も、この作業に似ています
ソリッドのCADでは、粘土提灯のモデルから、鉛筆のモデルを引き算することで、簡単にモデリングできます
ところが、サーフェスのCADでは、紙の提灯モデルに穴を開け、鉛筆の形状に骨組みになる輪郭線を引き
それに曲面を貼り付ける作業となり非常に大変です
ただし、複雑に変形している自由曲面をモデリングするのは、ソリッドは不得意です
粘土のように中身が詰まったデータなので、複雑な部分すべてを埋めるような計算が難しく場合によっては出来ない場合もでてきます
そんな時には、サーフェスを使用する事になります。サーフェスであれば、一枚の曲面は独立していて必ずしもすべての要素が接続している必要はないのでかなり、自由度がききます
以前の3DCADは、サーフェスが主流でした。
その後ソリッドのCADも出てきましたが、サーフェス処理が出来なかったり、切り替えが必要なCADもありました
最近は、その両方を意識しないでも、モデリングできるハイブリッドCADと呼ばれる物がほとんどです

ソリッドカーネル

画面上で3D的表現させるための、ソフトを開発するのは非常に大変です
以前はメーカーが独自で開発していたこともあり、3DCADの価格は高価でした
ところが、その計算部分のソフトウェアが、市販されました
CADメーカーは、一番開発コストのかかる、3Dの計算部分は購入すればよくオペレーションや操作の部分だけ、独自に開発専念できます。
この市販ソフトの利用で、3DCADの価格は、非常に安くなりました
格になるソフトウェアはカーネルとよばれていますが、この3Dの格となる計算部分のソフトウェアはソリッドカーネルと呼ばれています
ソリッドカーネルは、計算の核となる部分なので、違うメーカーのCADでもこのカーネルが同じであれば、かなり互換性は高いです
社外とのCADデータの受け渡しを検討する場合、まずはカーネルを調査するのは非常に重要です

市販のカーネル

『parasorid』・『ACIS』・『DESIGNBASE』の3種類が主のようですが、『DESIGNBASE』が使われていた、フォトロンさんの図脳3Dシリーズが現在は販売終了のようですね。
販売中の別の商品は、『parasorid』みたいです

CADMAX-J

また、新しい図脳3DシリーズをCATIAカーネルで開発中のようです

図脳CAD-3D

したがって、現在市販カーネルは、『parasorid』 と 『ACIS』 の2種類で考えればいいですね

独自カーネル

市販カーネル使用しないで、独自に開発されたCADもあります
『CATIA』 『Pro/ENGINEER』 『I-DEAS』 など比較的ハイエンドなCADが多いです

中間フォーマット

同じカーネル同士のCADであれば、比較的正確に受け渡しする事ができますが、違う場合は、読み込む事はできません
そこで、いろんなCAD間で受け渡しできるように、標準的なデータフォーマットが公開されています
しかし、互換性を重視したフォーマットなので、面データが消えたり、壊れてしまっていたり、正確に渡らない場合も多いです
中間ファイルは、代表的なところでは『IGES』と『STEP』があります
『IGES』はほとんどのCADが対応していますが、『STEP』はオプションの場合もあります
ただし、3Dの場合は『STEP』のほうが変換率は高いように思います

トランスレータ

違うCAD間でデータの受け渡しをする場合は、お互いが対応しているカーネルであればトラブルは少ないですがそうでない場合、中間ファイルの『IGES』でのやり取りになります
『IGES』はサーフェイスでのやり取りになるため、「提灯」の例のように、ソリッドに比べると面倒です。
CADにはサーフェスをソリッドに変換するソリッド化の機能がありますが、一部でも壊れたデータがあるとソリッド化できなくて、サーフェスでの作業と言う面倒な事になります。
なるべくなら、『IGES』でのやり取りは避けたいところです
そこで、自分のCADが対応していない、データを読み込んだり出力したりする場合、相互に変換するしてくれる機能がほしくなります
その機能がトランスレータと呼ばれています
トランスレータは通常はオプションになっています

Fusion360 は読み込めるデータフォーマットが多彩

Fusion360 は標準で市販カーネルの、『parasorid』・『ACIS』 だけでなく
『CATIA V5』 『Pro/ENGINEER』 など独自カーネルもインポートできます
通常、他社の独自カーネルをインポートする場合には、ダイレクトトランスレータと言う結構高価なオプションが必要となりますが、Fusion360では標準機能でそれが可能なのは驚きです

次回、このインポート機能を利用して、実際にデータのやり取りをやってみたいと
思います
つづく