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インダストリー4.0とは

「インダストリー4.0」とは、2011年にドイツが提唱した政策です。
日本語に直訳すると「第四次産業革命」となります。

製造業の次ステップとして、ドイツ政府はこの政策を掲げており、その手段として「スマート工場」を実現しようとしています。
「インダストリー4.0」という言葉自体は、2011年から使われています。

当初は、2010年にドイツ政府が定めた「ハイテク戦略2020」の中の1つでした。
ドイツSAPの元社長で、Acatech(アカテック ドイツ技術科学アカデミー)の会長である、ヘンニヒ・カガーマン氏が、インダストリー4.0実施の為の提言を出したことで、多くの人に知られることになりました。立役者の一人ですね。

なぜこのような政策が必要だったのでしょうか?

生産性の高い工場は既に存在しています。
しかし、競争力の高い1品モノは、別の工場で同じモノを作っていた場合、その生産工程において、大きな違いがあります。
その差をある程度まで無くし、ムダを省いていこう、という考え方から始まりました。

客観的に見た時に、同じ会社でも工場ごとに生産方式がバラバラであったり、連携が取れていない、ノウハウも共有されていない、といったことを多々目にします。
単一企業の中ではムダが無くても、業界全体の視点からすれば、ムダな部分が良く見えることもあるのです。

現在はプラットフォームが確立されていない状態

機械や装置の制御ソフト、受発注システム、ICT技術など、製造業に関わるプラットフォームは多岐にわたります。国によっても政策が違いますので、代表的な取り組みと日本の状況を少しまとめました。

■ ドイツ:インダストリー4.0

産官学共同ですが、政府主導で進められています。中小企業にフォーカスしながら、中核となる大企業(SAP社、BOSH社、SIEMENS社など)が支援する形態をとっています。ISOやIECなどの国際規格で、標準化の主導権を取りたいという考えのようです。
コンセプトとしては、Smart Factoryに代表される、つながる工場の実現と、ドイツの製造業を世界標準にすることが目標となっています。

■ 米国:インダストリアル・インターネット

大手企業(GE社、Intel社、CISCO社など)が主導です。また、PTC社、AWS社、MS社、IBM社など、クラウドやIoTで有力な企業の影響力が強まっている状況です。
CPS(サーバー・フィジカル・システム)でデジタル化の主導権を取ることを考えています。どちらかというと、機械(モノのデータ)を中心とした発想で、ハードウェアとソフトウェアの融合がコンセプトとなっています。ドイツが掲げる「インダストリー4.0」に似ていますが、対象が製造業だけではなく、ヘルスケアや運輸、エネルギー、インフラ、など幅広い産業を対象としています。 
オープンイノベーションもこちらに含まれており、IoT製品のハードウェアスタートアップも増加しています。クラウド、ビッグデータ、といったIT分野については、米国を中心に今後も広がっていくと考えられています。その例として、GEグループのソフトウェア部門(GEソフトウェア)は、産業用基本システム“Predix(プレディクス)”を提供しており、2020年には150億ドル(約1.8兆円:IT第三位の独SAPと同規模)になると予測されています。

■ 日本

日本は、コンセプト段階で大手企業が業界団体を乱立してしまっている状況です。「IoT推進コンソーシアム」や「ロボット革新イニシアティブ協議会」などが主だったところになります。大企業が主導権を持っているのですが、それぞれの業界団体で、ドイツ寄りのコンセプトであったり、米国寄りのコンセプトであったりとバラバラな印象です。それぞれ良いところを取り入れつつ、日本独自の進化を遂げることが求められており、模索中のようです。
しかしながら、クラウドやビッグデータに関しては、先に進めていた方が間違いなく強く、米国にアドバンテージがあります。日本はセンサー技術に強く、ネットワーク環境も整っていることから、今後ますますIoTへの取り組みが加速していくと期待しています。

■ その他の国

生産拠点となったアジアの新興勢力が存在感を増してきています。
例えばインドでは、国策として通信環境が改善されました。これにより、クラウド技術を利用する企業が急速に広まってきています。

インダストリー4.0時代の働き方はどう変わる?

2017年現在、私たち消費者は、既にラインアップされたモノを選んで購入することから、自分に必要なものを自分で「カスタマイズ」して購入する、といった消費行動が始まっています。

製造業においても、ドイツのスマート工場では、年齢や熟練度に合わせて組み立て方を教える手順書が映し出され、従業員の力を最大限に引き出せるようになってきています。
従業員の為に生産ラインを「カスタマイズ」している、ということになります。

実際に、マザー工場の概念をデジタルで再構築し、新興国の工場作業員は単純作業のみで、マザー工場から新興国の工場をコントロールする仕組みがもう完成しており、成果も出始めています。

インダストリー4.0の今後

人々が今より豊かに暮らしていけるように、今後もこのような流れは加速していくと考えられています。
「インダストリー4.0」は定義があいまいな概念でしかありません。立場によってイメージされる領域も様々です。
例えば、FA(ファクトリーオートメーション)、マスカスタマイゼーション、標準化、・AI(人工知能)、ビッグデータ、3Dプリンティング、ジェネレーティブデザイン、などなど。

「日本の製造業では既に取組んできたテー マであり新しくはない」といった意見や「経済性に見合うか不明。つかみどころのない話題」という指摘もあります。
確かにこれらは「インダストリー4.0」を構成する一つではありますが、「インダストリー4.0」はIT技術による生産性向上だけではなく、「製造プラットフォームサービス」事業、という新しいビジネスモデルや成長機会を創造する産業政策、と考えると理解しやすいのではないでしょうか。




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