Fusion360が出力した、サンプルNCを個人的に検証してみました

Fusion360 のサンプルNC

前回、工場長濵谷さんから、Fusion360のCAMの説明がありサンプルNCデータが公開されました
http://a360.co/2fagabi
ターゲットとして、素材はスチールでファナック制御の汎用的なマシニングセンターだと仮定して検討してみたいと思います
あくまで、私の個人的な意見としてお考えください

シミュレーション

本当だったら、削りたいですが、そうも行かないのでシミュレーションでみてみます
私は、「TRYCUT2000」というシミュレーションを使用しています
トライカット
結構リーズナブルなソフトです。
確か、年間ライセンス:1万円 永久ライセンス:8万円 ぐらいです

とりあえず、トライカットにNCデータを入力してシミュレーションしてみます

特に問題なく、削れました。

ただし、荒加工のZ方向の取り代が0.5mmのようで、底面が仕上がっていない状態なので、仕上げの側面加工で食い込んだように見えています。
これはたぶん、サンプルなので底面仕上げを省略されただけの事でしょう(笑)
本来の加工であれば、・荒加工・底面仕上げ加工・側面仕上げ加工 の3工程にすると思います

HSM(high-speed-machining)荒加工

HSMは、HSC(high-speed-cutting)とか「Adaptive Clearing」とかとも呼ばれています
私はこの種のパスで削った事はないのですが、数年前から興味があり、情報だけは仕入れていました
実際の加工でも取り入れたかったのですが、会社的にはコストの面もありなかなか実行できていません
情報のみの知識で書き込みます
HSMは上の動画で狭い丸ポケットに入る箇所の加工を見ていただくと分かりやすいですが、トロコイド加工の進化系で、工具の横方向の切込み量が常に一定になる感じのパスです
ただ実際には、横切込み一定ではなく、工具が工作物と接触する角度を一定にするパスです
一般的なポケット加工は輪郭をオフセットしたような経路が広がっていくイメージが普通ですが、この削り方では狭い箇所に入り込む場合ワークに工具が全面に接触する、フル切削になってしまい、工具の負荷が著しく変化してしまいます
この『切削関与角・エンゲージ角』が一定になる事で工具負荷が一定になり加工が安定し工具寿命も延びるといわれているのが、HSMの特徴です
HSMの詳しい情報は、次の機会に紹介したいと思いますが
いずれにしても、このような良質なパスがFusion360で出せるのは、驚きです

では、NCデータを順に眺めてみましょう

Gコードにあまり馴染みがない方もいらっしゃると思いますので
説明もかねて、ちょっと長々と書きますので、興味ないかたは読み飛ばしてください。
こちらからダウンロードしたNCデータを参考にしてください
http://a360.co/2fagabi

(T1 D=10. CR=0. – ZMIN=-6. – FLAT END MILL)

  • 最初にコメント分で、工具径やコーナーR、種類などの情報がありいいですね
  • 特に、最終Z深さがあるのは、いいと思います。
  • 工具長が短くて、干渉した・・なんて事が少なくなります

N20 G28 G91 Z0.

  • とりあえず、Z軸のリファレンス点へ退避です。
  • ほとんどないとは思いますが、リファレンスが最上面より下側にある場合には注意が必要です

N30 T1 M06

  • 工具交換です
  • 最近はあまりないでしょうか?
  • 昔の機械は、TとM6を同じ一行でなくてはいけなかったり、別々でなくてはいけない機械もありました
  • 古い機械の場合には、調べておいたほうがいいです

N60 G43 Z15. H01

  • 工具長補正
  • 具体的にはZ15.に行く間に、H01の情報を元に工具長補正を完成させろ!ですね
  • このHの番号は、範囲以内であれば得に決まっていないのが(ユーザ任せ)トラブルになる場合があります
  • 通常は、T番号とH番号は同じで使う場合が多いと思いますが、会社によって違う場合もありますね
  • 他社のNCデータで加工する場合、この確認は重要です。
  • ハイデンハインの場合には、工具は番号・名前・径・長さなど、工具データテーブルで一括で管理されているので分かりやすいです
  • コントローラは工具交換した時点でこの工具データを参照しすぐに工具長補正を完成させます。工具長補正指令なんて必要ないです。ハイデンハインが使いやすいと感じる一つですね
  • 最近のマキノさんの制御機の工具データ画面は一括管理方式に近くなっています

N75 G01 Z1.05 F1800.

  • さぁ、いよいよ切込みに入っていきます
  • F1800のスピードに指定されています
  • ただ、この切込み動作と切り込んだ後、ポケットを広げていく動作で同じスピードです
  • やはり、無垢の素材に切り込む時とポケットを広げる時では加工負荷が違うので、送りは変更したいですね
  • ここは、Fusion360の機能で送りの変更が可能かどうか、調査が必要です

N80 G03 X1.027 Y4.637 Z0.529 I1.027 J4.638

  • 切込みは、螺旋で切り込んでいます
  • 半径がいくつの螺旋かは、IJの値で計算できます
  • 計算式は√((Iの値)*(Iの値) + (Jの値)*(Jの値))
  • 具体的には R = √((1.027*1.027)+(4.638*4.638)) = 4.75
  • 工具半径がR5.00なので、0.25の重なりですね。もう少し重ねたほうがいいような気もします

上のコードでもう一つ、気になる点があります

  • G03のコードなので、反時計回りの円弧補間ですが
  • X,Y,Z と3軸同時の指令なので、ファナック的にはヘリカル補間になります
  • ヘリカル補間はオプションの場合が多いので、動かない機械が出てきます
  • ちょっと、汎用性に問題があるかもしれません
  • ヘリカル補間での切込み動作の後は、直線補間での指令に変わっているので
  • このヘリカル補間も、すべてG01の直線補間に変更したほうがいいと思います
  • ここも、Fusion360の機能で螺旋切込みを直線補間にできるか?調べたほうがいいですね

N155 G01 X4.753 Y0.3

  • 螺旋切込みの後は、ほぼ直線補間で動いていますが
  • 所々、「G03」の円弧補間指令も出てきますね
  • まぁ、これは特には問題ないと思います

N3975 G00 Z15.

  • ここまでで、荒加工は終了し、一旦、Z15.に退避します

N3995 G43 Z15. H01

  • この指令は、ちょっと気になります
  • すでに、工具長補正が実行中ですが、再度、工具長補正をしようとしています
  • 問題ないかもしれませんが、機種によってはアラームをだしたり、最悪誤動作もあるかもしれません
  • このコードは出さないようにするか、
  • このコードの前に工具長補正キャンセルを行うか、
  • いちばんすっきりするのは、とりあえず荒工程終了という事で工具交換し、
  • 側面仕上工程という事で、再度工具交換からスタートするのがいいと思います
  • 後の行に「G41」の工具径補正がありますから、側面仕上工程が想定されます
  • 実際の加工を考えてみると、工具径補正で仕上げの場合、精度的な管理も必要になります
  • 精度を考えると、一度削った後、測定し、その結果に応じて補正を編集し再加工になります
  • その場合、加工工程は分割していたほうが、便利です

N4015 G18 G02 X12.5 Z-6. I1.

  • これは、面白いコードですね
  • G18のXZ平面指令で、Z方向へR1の円弧補間で進入しています
  • 底面にキズなどつけないための配慮だと思われます
  • 3D加工の場合は、螺旋で切り込んだりしますが、2D輪郭加工で
  • このパスを出すのは、ずいぶん気を使っていますね~
  • ただ、G18を使うか、G01の直線分割がいいのか?意見はわかれるところだと思います

N4115 G18 G03 X11.5 Z-5. K1.

  • これも同様に、XZ平面のR1円弧補間で底面より逃げています

ざっと眺めると、こんなところでしょうか?

Gコードにあまり馴染みがない方もいらっしゃると思い説明もかねて、ちょっと長々と書いてしまいました。

 

ポストプロセッサ

いろいろ、気になる点を書いてしまいましたが、サンプル出力としては十分だと思います
結局同じ機械メーカーで同じファナックでも(・・特にファナックは・・)機種により設定変更が必要な場合がよくあります
また、使う人によって、微妙に操作のさせ方が違う場合もあります
たとえば、工具交換後すぐにクーラントを出す人もいれば、ワークに近づいてから出したい人
スピンドルを回転させてから出す人、回転させる前から出したい人、いろいろだと思います
実際の形状を加工する経路の指令は、CAMの内部計算で決定しますが、補助的な動作を補うのが、ポストプロセッサの役目です

とりあえず、私の経験からいろいろ書いてしまいましたが

おそらくFusion360のCAMでの設定かポストプロセッサの編集で変更は可能なはずです
Fusion360は、ポストプロセッサも、ユーザーが自由に編集できそうですから
勉強すれば、自分好みのパスがだせるようになると思います

今回のサンプルで編集したい点と整理すると

  • 傾斜やヘリカルで切り込む時と通常の送り速度は変更したい
  • ヘリカル補間はオプションの場合もあるので、直線補間など汎用コードに変更可能か?
  • すでに工具長補正モード中の場合、再度工具長補正コードは出してほしくない

このあたりを編集してみたいですが・・・
ポストプロセッサ設定ファイル、ちょっと覗いてみましたが、結構複雑ですねぇ
かなり勉強が必要そうです。(汗;)

[サンプルデータあり] 今話題のFusion 360 CAMについて検証してみた!

CAM業界の常識を覆す価格!

今3D CAD業界を賑わせている「Autodesk Fusion 360」ですが、CAMとCAEも使えて年間36,000円という破格の価格設定になっています。
大事なのは、実務で使えるか?ポストはどの程度準備されているのか?
気になる点を検証してみました。

CAMの機能検証

●特筆すべき機能

HSM(負荷制御)が搭載されていました!ちょっと前までは(今でも?)負荷制御用のツールパスを作るエンジンはオプションで数十万円~百万円単位で費用がかかったように記憶しています。VoluMILL、IiMachining、HSTなどが代表的なところです。
SolidWorksにアドオンが可能な「HSMWORKS」というCAMがありますが、提供している会社が同じAutodesk社のようです。(だからといって36,000円で使えるのは不思議でしかありませんが・・・)

●「負荷制御」が使えることのメリット

・荒取り加工時間の大幅短縮
・負荷一定により工具寿命が延びる
良いことしかありませんねw はっきりと言いますが、普通の数百万円するCAMで負荷制御が無いCAMを使っているのであれば、今すぐに荒取りパスだけでもFusion 360を使った方が、生産効率が上がります!

●仕上げパス評価

走査線、等高線、ペンシル、モーフィングなど、基本的な仕上げ用のコマンドは揃っていました。その他、工具長管理や、工具登録もかなり簡単にできるようになっています。走査線のクオリティなど目を見張るものがあります。

この辺りまで見てきて、「あれ?これはすごいのでは?」と思い始めましたw

●CAMでクラウドを利用するメリット

クラウドとCAMなんて関係無い、と思っていたのですが、ありました!工具ライブラリの管理が非常に簡単です!これまでのCAMでは、工具ライブラリを複数の作業者で共有したり、空いてるPCでNC作ろうとした時には、工具ライブラリの共有化作業が必須でした。
が、解放されました!すばらしい!

●CADとの連動

直接CAMの評価ではないのですが、CAD上でCAMが使えるので便利でした!

<CADデータ変更後の作業を削減>
モデルを編集してたら、CAM画面で「更新」マークが出るので、ツールパスを再計算するだけで変更作業が終わりました。加工者にはありがたい機能ですね。冶具作成などのCAD作業も、SolidWorksと比較して遜色なく行うことができました。

<STLモデルデータへツールパス作成>
メッシュデータを読み込んでそのままツールパス作成ができました!最近はスキャンデータの活用が求められていますので、非常にありがたい機能です。
加工途中の形状をSTL形式で保存も可能なので、途中形状を他のCAMに渡したりすることもできました。

●コマンド・価格

Standard版:36,000円/年間
ドリル、2D、3D、旋盤までのコマンドが利用可能でした。

Ultimate版:178,000円/年間
同時4軸加工(円筒ラッピング機能)、複合軸(スワーフ・複合軸輪郭)、割出しの固定5軸加工、などの機能が追加で利用できます。

ポストプロセッサーの検証

●雛型ポスト

かなりの数の機械メーカーのポストプロセッサーが標準装備されています。
Fanuc、HAAS、Mazak、Heidenhain、Siemens、Shopbot、Roland、などなど。基本的にマシニング加工用のポストとターニング(複合旋盤)用のポストがそれぞれ用意されていました。

●オンライン ポストライブラリ

上記以外のポストもダウンロード可能です。英語版のサイトですが、検索すればすぐに見つかります。例えば、Brother と検索すれば出てくる感じです。オリジナルマインドさんのKitmillシリーズのポストもこちらからダウンロードできるようです。すごいですね。
http://cam.autodesk.com/posts/

基本的にプログラムはC++で書かれているので、わかる方は編集してオリジナルにしてしまえばかなり使い勝手が良いです。
ポストを作ってくれるサービスもありますので、作れない方はBIZROADサービスをご利用下さい。
http://bizroad-svc.com/fusion360cam-post/

サンプルNCのダウンロード

FanucポストでサンプルNCを作成してみましたので、ご興味ある方はダウンロードしてお試し下さい。
使用ポスト:fanuc.cps – Generic FANUC
サンプルNCダウンロードリンク:http://a360.co/2fagabi

工程① ポケット荒取り[2D負荷制御]

工程② 輪郭仕上げ[2D輪郭]

3DCAMの利用が広がりそうでワクワクしますね!
それではまた次回!

Fusion360を中心に他の3D-CAD間でデータ変換実験してみた

「CATIA V5」の生データを用意

かなり昔のですが、CATIA V5 のデータがあったので、こいつの変換テストをしてみます
まずは、Fusion360にインポートしてみます
Fusion360へのインポートは、直接とクラウドを経由する場合でインポートできる
ファイルの種類がぜんぜん違います
『CATIA V5』の場合は、クラウドを経由する必要があります。
その詳細やクラウドを使用する場合の方法は、下記のサイトで分かりやすく説明されています
Home3Ddo
AUTODESK FUSION360

『CATIA V5』の生データをインポートし、編集!

早速、クラウド経由で読み込んでみました。
さすがに、オリジナルデータをそのまま公開できませんので、インポートしたデータをFusion360でいろいろ編集してみました



お~
すごいすごい、かなりハードな変更ができました
読み込んだデータがここまで編集できるのは、かなり正確にデータが渡っている事と思われます

こいつを、『ACIS』でエクスポートし会社CADへインポート

次に、Fusion360 で『ACIS(sat)』へエクスポートし会社のCADで読み込んでみます
Space-E/Modeler



問題なく読み込めました
読み込んだだけで、「ボディ」属性になっていますから、ソリッドでの受け渡しができているのがわかります
さらに読み込んだモデルに、フィレット処理をかけてみました



普通にフィレット処理ができました。こちらもデータの受け渡しは正常だと思います
さすがソリッドカーネルです。
ところで、Fusion360のエクスポートに『sat』があって『x_t』がないところをみると、Fusion360のカーネルは『ACIS』みたいですね。
欲を言うと、『x_t』でエクスポートできれば、トランスレータとしては最高なんですけどね
低コストで、『x_t』へ変更する方法は、後で紹介したいと思います

次に『step』

先のSpace-Eは、標準では『step』が読み込めません
なので、もう一つのCAM、OPEN MIND 社の HyperMILL で読み込んでみます
hyperMILL
こちらも問題なく読み込めました





ただ、ソリッド化では、失敗してしまいました



う~ん、これは、出力側、入力側、どちらに問題があるのかわかりませんが
これが、「中間フォーマット」の相性ですかね~
やっぱり、ソリッドカーネルでの受け渡しがいいですね
ただし、HyperMILL は独自カーネルなので、カーネルでの受け渡しは制限があります

じゃぁ、パスは出るのか?

ソリッド化は失敗しましたが、HyperMILLでの仕事はパスを出すことです
HyperMILLのCAD操作は設計的な操作よりも、CAMに便利な操作が充実しています
なので実は、サーフェスでの作業が多いです。
そんなことで、もらったデータでパスが出なくては、お話になりません
ほとんど特別な操作はしないで、簡単な等高線パスを計算してみました



うん、問題なくパスは出力されました
これなら、大丈夫ですね!

再度、Fusion360 へインポート

今度は、Space-E で『ACIS(sat)』を出力し、そのデータをFusion360で読み込んでみました
この操作を整理すると、
「CATIA V5」⇒「Fusion360」⇒「Space-E」⇒「Fusion360」となります
>


読み込んだモデルに、Fusion360でフィレットを追加してみます
問題なく編集できますね。
ここまで、他CADのデータを操作できるのは、すごいですねぇ
独自カーネルのトランスレートは高価なダイレクトトランスレータオプションが必要ですが
Fusion360の標準機能だけで、非常にメジャーな「CATIA V5」のデータがトランスレートできました
すごいです
これで、『parasorid』へのエクスポートがあれば、完璧ですけどね~

『sat』←→『x_t』変換

最後に、面白いCADをご紹介します
IRONCAD
このCAD、デュアルカーネルと言う、2個のソリッドカーネルを搭載しています
したがって、『sat』と『x_t』が相互に変換が可能です
価格もそれほど高くないです、300千ぐかいでしょうかね??

低価格でトランスポート

・Fusion360で独自カーネルをインポート
・Fusion360から『ACIS(sat)』でエクスポート
・IRON CAD で『ACIS(sat)』をインポート
・IRON CAD から『Parasolid (x_t)』でエクスポート

この2個のCADがあれば、ソリッドでの受け渡しがかなりの変換率で実現できると思います

Fusion360はトランスレータとしても優秀!

Fusion360! こんな高機能なCADをトランスレータだとぅ

コストのみならず、非常に高機能な Fusion360 をトランスレータだと言うのか!
と怒られそうですが、他企業と3D-CADデータでやりとりし、連携しながら仕事を進める場合、CADデータの互換性は非常に重要になってきます
一昔前、車のボディやドア、インパネなどの金型を製作している会社さんは顧客である車メーカーが使用しているすべてのCADをデータ変換目的で設備していると聞いた事があります。
当時はまだまだ、3D-CADは高価で1000万円以上した時代です
他CADとのデータの受け渡しを可能にする中間フォーマットとして『IGES』と言うデータ形式がありますが、完璧ではなく車などの複雑な3Dモデルにおいては、変換トラブルも多く不十分だったようで効率を考えると、相手と同じCADを設備したほうがまだよかったと言う訳です

サーフェスとソリッド

3Dモデルの表現方法としては、「ワイヤーフレーム」「サーフェス」「ソリッド」があります。
「提灯」を通常のような「紙」と「粘土」で作った場合をイメージしてください

「提灯」の骨組みの竹ひごの部分が、「ワイヤーフレーム」でそれに貼られた紙がサーフェスです
その提灯と同じ形を粘土で作った物が、「ソリッド」のイメージです
普通の提灯は空洞ですが、粘土提灯は固まりです
さて、この紙の提灯と粘土の提灯形状の物に、鉛筆を突き刺してみます



紙の提灯には、鉛筆の径で穴が開くだけですが、粘土の提灯には鉛筆の形状が凹として残ります





この粘土提灯に鉛筆を突き刺した形状と同形状を、紙の提灯で作るのは非常に大変です
開いた穴のところに、鉛筆の胴や先っぽの部分の形状の骨組みを作成し、それに紙を貼り付けなくてはいけません
サーフェスでの3Dモデリングの作業も、この作業に似ています
ソリッドのCADでは、粘土提灯のモデルから、鉛筆のモデルを引き算することで、簡単にモデリングできます
ところが、サーフェスのCADでは、紙の提灯モデルに穴を開け、鉛筆の形状に骨組みになる輪郭線を引き
それに曲面を貼り付ける作業となり非常に大変です
ただし、複雑に変形している自由曲面をモデリングするのは、ソリッドは不得意です
粘土のように中身が詰まったデータなので、複雑な部分すべてを埋めるような計算が難しく場合によっては出来ない場合もでてきます
そんな時には、サーフェスを使用する事になります。サーフェスであれば、一枚の曲面は独立していて必ずしもすべての要素が接続している必要はないのでかなり、自由度がききます
以前の3DCADは、サーフェスが主流でした。
その後ソリッドのCADも出てきましたが、サーフェス処理が出来なかったり、切り替えが必要なCADもありました
最近は、その両方を意識しないでも、モデリングできるハイブリッドCADと呼ばれる物がほとんどです

ソリッドカーネル

画面上で3D的表現させるための、ソフトを開発するのは非常に大変です
以前はメーカーが独自で開発していたこともあり、3DCADの価格は高価でした
ところが、その計算部分のソフトウェアが、市販されました
CADメーカーは、一番開発コストのかかる、3Dの計算部分は購入すればよくオペレーションや操作の部分だけ、独自に開発専念できます。
この市販ソフトの利用で、3DCADの価格は、非常に安くなりました
格になるソフトウェアはカーネルとよばれていますが、この3Dの格となる計算部分のソフトウェアはソリッドカーネルと呼ばれています
ソリッドカーネルは、計算の核となる部分なので、違うメーカーのCADでもこのカーネルが同じであれば、かなり互換性は高いです
社外とのCADデータの受け渡しを検討する場合、まずはカーネルを調査するのは非常に重要です

市販のカーネル

『parasorid』・『ACIS』・『DESIGNBASE』の3種類が主のようですが、『DESIGNBASE』が使われていた、フォトロンさんの図脳3Dシリーズが現在は販売終了のようですね。
販売中の別の商品は、『parasorid』みたいです

CADMAX-J

また、新しい図脳3DシリーズをCATIAカーネルで開発中のようです

図脳CAD-3D

したがって、現在市販カーネルは、『parasorid』 と 『ACIS』 の2種類で考えればいいですね

独自カーネル

市販カーネル使用しないで、独自に開発されたCADもあります
『CATIA』 『Pro/ENGINEER』 『I-DEAS』 など比較的ハイエンドなCADが多いです

中間フォーマット

同じカーネル同士のCADであれば、比較的正確に受け渡しする事ができますが、違う場合は、読み込む事はできません
そこで、いろんなCAD間で受け渡しできるように、標準的なデータフォーマットが公開されています
しかし、互換性を重視したフォーマットなので、面データが消えたり、壊れてしまっていたり、正確に渡らない場合も多いです
中間ファイルは、代表的なところでは『IGES』と『STEP』があります
『IGES』はほとんどのCADが対応していますが、『STEP』はオプションの場合もあります
ただし、3Dの場合は『STEP』のほうが変換率は高いように思います

トランスレータ

違うCAD間でデータの受け渡しをする場合は、お互いが対応しているカーネルであればトラブルは少ないですがそうでない場合、中間ファイルの『IGES』でのやり取りになります
『IGES』はサーフェイスでのやり取りになるため、「提灯」の例のように、ソリッドに比べると面倒です。
CADにはサーフェスをソリッドに変換するソリッド化の機能がありますが、一部でも壊れたデータがあるとソリッド化できなくて、サーフェスでの作業と言う面倒な事になります。
なるべくなら、『IGES』でのやり取りは避けたいところです
そこで、自分のCADが対応していない、データを読み込んだり出力したりする場合、相互に変換するしてくれる機能がほしくなります
その機能がトランスレータと呼ばれています
トランスレータは通常はオプションになっています

Fusion360 は読み込めるデータフォーマットが多彩

Fusion360 は標準で市販カーネルの、『parasorid』・『ACIS』 だけでなく
『CATIA V5』 『Pro/ENGINEER』 など独自カーネルもインポートできます
通常、他社の独自カーネルをインポートする場合には、ダイレクトトランスレータと言う結構高価なオプションが必要となりますが、Fusion360では標準機能でそれが可能なのは驚きです

次回、このインポート機能を利用して、実際にデータのやり取りをやってみたいと
思います
つづく

ゴミ当番札を作ってみた

自宅のゴミ収集場所が新しくなったので、当番札を作って回覧する事になりました。
ダレも手を上げないので、3Dプリンタで作ってみる事にしました

部品構成は、5点でFusion360で設計。皿ネジで締結することにします

パーツは、「ドアに引っ掛けるフック」「60mm角×4個で構成 ゴ・ミ・当・番」
各パーツは、皿ネジで組み立てます


フック部品




ネジはφ3ぐらいなので、フックの取り付け部には、φ4mm程度の穴を開け、本体部のパーツには、2mm程度の穴を開けます。モデル上では特にネジ処理はしないで、直接ネジで切り込む事にします
Fusion360 には、穴コマンドがあるので、簡単に穴をモデリングできます

「ゴ」「ミ」「当」「番」の4部品

一文字ごとに、4つのパーツにしました。サイズは60mm四角。



接続は、四角形の凸凹ではめ込み、横からネジで固定します。フックと同様に外側の穴はネジ径φ3mmよりも大きくし実際に固定する穴は2mmにしました



また、このような文字をモデリングする場合にも、Fusion360 はフォントをベクトル化して簡単に図形データに変換できます。

サポートは?

このような機構部品で、上下左右面に凸凹がある形状は、サポートが面倒です
私のプリンタの専用ソフト、FlashPrint には、自動サポート機能がありますが、このような形状の場合あまりよいサポートではないように思っています
少し面倒ですが、サポートもモデリングしました

さぁ、印刷!





前回のレポートのように、

ガムテープ仕様で印刷してみましたが、やはり一層目でうまく貼りつかない箇所があったのでスティック糊を使用しました

完成!



 

一部品3時間ぐらいかかる大作でした
大切に使ってほしいなぁ~

製品を取り外す時の、バリバリ!どうにかならないか?Vol3


前回の記事

ではラフトが終了した時点で、ガムテープを貼り付けたら、かなり効果的でした。
ただ、G-code いじったりして、面倒

どうして、ラフトをつけたんだっけ?

・製品がテープルに貼りついて剥がれにくいから!
・場合によっては、剥がすときにテーブルシートを傷つけることも。
・ラフトをつけると、テーブルとは剥がれやすいけど、今度はラフトと製品が剥がれにくい
・それで、いろいろやってみたのが、前回の記事。
・そこでベストだったのが、ラフト上面にガムテープを施してみたら、Good!

という事は、ラフトやめて、直接テーブルにガムテープ貼ってもいいんじゃない?

やってみると、結構いいです






普通に印刷できて、終わった後、ぽろンと取れるのがうれしいです





ただ問題も!

設置面積が小さい形状ならいいのですが、広くなってくると
出来上がりに底面に、ところどころ凹みが現れます

最初は、垂れ流しされたりうまく付かなかったフィラメントが悪さしているのか?と思っていましたが、どうも違うみたい
印刷時を観察していると、一層目を印刷している時に、浮いてくる箇所がありました
ガムテープが剥がれているわけでもないみたい。
ガムテープの熱影響なのか?フィラメントととの愛称なのか?
その浮いてきた、空洞のところが、最終的に凹み傷になって製品に現れるみたいですね

ベッドとノズルの隙間設定は重要

ガムテープ使用の場合には、ノズルは接触するぐらいがいいみたいです
私は、こんな方法でテーブルのセッティングはやっていますが
ガムテープを貼る前にこの設定はやったほうがよさそうです
ガムテープの上でテーブル設定をやると、フィラメントがうまく貼りつかず、グニュグニュしてしまいます



貼る前の実際のテーブル上で設定を行うと、ガムテープの厚さが約0.1mmぐらいなので、
ガムテープとノズルとは隙間はゼロか少し接触している状態になっていると思います
ちょっと、あたり気味になっていたほうがよさそうな感じです

凹み傷対策

ホットエンドの温度も少し変えてみましたが、あまり効果はなかったです
もしかすると、一層目だけ、送りスピードを遅くしたほうがいいかもしれません
でも私のプリンター用の「Flash Print」にはそのような設定はなさそうなので、結局またG-codeの編集になってしまいますね~
それも面倒なので、ガムテープの上面に、スティック糊の塗って塗ってみました

これであれば、空洞ができにくいようです。
ただどうぜん、ガムテープには貼り付いてしまいますが、テーブルに直接貼り付いているよりははるかに剥がしやすいです。
3時間ぐらいの、設置面積が大きい製品を印刷してみました。
若干線状の模様は出てきましたが、上田馬之助ほどではないです(~_~;)
この裏面も、剥がれやすくて、アイドルのオデコみたいに綺麗にしたい場合は、難しいですね~
まだまだ、3Dプリンターは発展途上です・・・というか、私には経験不足です(笑)



でもなにか、ガムテープに代わるものがないかなぁ~?

テーブルとノズルのセッティング方法

いずれにしても、ベッドとノズル先との隙間設定は重要ですね
上にも書きましたが、私はこんな方法でやっているのですが

あくまで、私個人の方法ですが
参考までに、次回少し詳しく説明したいと思います

次回に続く

Netfabbの説明会に行ってきました!アディティブ・マニュファクチャリングを実現する為に

金属造形の現状

現状では金属を削ってモノを作る方が、「時間」も「コスト」も少なく済みますが、10年後には「コスト」が下がり、「時間」も短縮され、金属加工業であたり前のように金属3Dプリンターを活用した「ものづくり」を行っていることが予測されています。我々も、そろそろ次の時代を見据えて準備を始めないといけません。

今回は、現状の金属造形3Dプリンターが活用される為に必要な技術に焦点を当ててご紹介していきたいと思います。

アディティブ・マニュファクチャリングとは

Additive Manufacturing:積層造形 

金属3Dプリンターの加工方法には次の2種類があります。
① レーザーを照射して粉状の金属を溶かしながら積層するパウダースプレー式。DMG森精機やヤマザキマザックが採用したのがスプレー式です。
② 加工台に金属粉を敷き詰めて固めたい部分にレーザーを照射して成形するパウダーベッド式。

速度はスプレー式、精度はベッド式が優れているとされています。こちらは樹脂でもおなじみですね。
造形時の問題点としては、樹脂と違い重量があることや温度変化による歪み、サポート材を外すことに非常に労力が必要なこと、などが挙げられます。

Netfabbとは

Netfabbは、3Dプリントを対象とした3Dデータの編集・修正、を行うためのソリューションソフトウェアです。
3Dプリントの際に問題となる、ソリッドモデル化、メッシュ容量の削減、中空化モデルの作成からパーツ同士の干渉チェックなど、3Dプリントのプロセスで必要となるモデル編集を行えます。これはまだ基本的な部分ですね。

Netfabbのすごいところは、解析とモデルへの反映にあります。
造形後形状の予測解析を行い、歪み補正を元データに反映させたり、ラティス構造を自動計算してくれるだけでなく、結果に対して強度不足の箇所を解析し、必要な個所を太らせるような処理も行ってくれます。ラティス構造を計算するWithinというソフトがあったのですが、そちらが統合されています。複数ヘッドの3Dプリンターにも対応しており、10個のヘッドを同時に制御することも可能です。

●3Dプリント時のサポート材計算
また、金属プリンターとなると、サポートも剥がす作業が大変なのですが、できるだけ仕上げ面に干渉しないようなサポートを計算してくれます。

●歩留りの計算
樹脂も金属も、パウダーヘッド方式だと歩留まりを計算したいところです。Netfabbではこちらも搭載されており、3Dの歩留まり計算で最適な結果を得ることができます。

ジェネレーティブデザイン

ジェネレーティブデザインとは、コンピュータが自己生成的にデザインを生み出す技術として知られています。2016年にオートデスク社が発表した「Dreamcatcher」は、解析技術の延長でしかなかったトポロジー最適化よりも、コンピュータが自己生成的にデザインを生み出すというコンセプトになっています。

●シェイプ最適化・トポロジー最適化
ジェネレーティブデザインの基本となる機能です。近年の3DCAD業界では、各社「シェイプ最適化」機能を発表しています。上記の「Dreamcatcher」ほどのことはもちろんできませんが、どのように荷重解析を行い、形状を最適化させるか、検証する価値は十分にあると思います。

おすすめは「Autodesk Fusion 360」を無料ダウンロードして試してみることですね。タダで試せるとは、恐ろしい時代ですね!

ではまた次回!

プレス・板金・フォーミング展 MF-Tokyo2017

塑性加工技術の専門展示会

加工専門の展示会というと「JIMTOF」が有名ですが、MF-Tokyoはプレス関係で最大規模の展示会になります。両展示会は2年に1回の開催で、かなり規模が大きいです!サーボプレスをはじめとした各種プレス機械、レーザー加工機、プラズマ加工機を含む板金機械、フォーミング機械など、大型の機械はもちろんですが、工夫の詰まった曲げ加工のダイなど、日本の誇る加工技術がたくさん展示されていました。

タレパンのロボット化

Fanucなどロボットアームで段取り替えを行うラインも、組立工程や切削工程での利用が進んでいます。センサー技術によって進歩していますが、タレットパンチャーでもロボットが活躍し始めていました。

マルチフォーミング

マルチフォーミングはいつ見ても最速のプレスですね!板バネやネジ部品加工作成にも同様の構造で、多くの製造現場で今も現役で使われています。CNCやマシンがいくら進化しても、このスピードには敵わないですね!

ウィングベンド

全く曲げ痕がつかないダイがありました。

曲げを行う時に痕が残ってしまって、塗装がはがれてしまうような時に使われるものです。小さい曲げ箇所にも有効です。

ダイがパンチと合わせて動いてくれることがこういった機能に繋がっていました。

CADソフト

CADMACさんやアマダさんが加工まで含めた板金CADを展開されています。プロ向けとしてはもちろん必要ですが、どうやらFusion 360にも板金設計機能が付くようですので、これまでより安価に、展開図が取得できるかもしれませんね。

まだまだたくさんの面白い技術がありますが、やはりプレス業界もIoTへの流れ、ロボットの活用が非常に増えてきていると感じました。
「マルチフォーミング」と「AI」なんてワクワクすると思いませんか?
それではまた次回!

製品を取り外す時の、バリバリ!どうにかならないか?Vol.2

印刷した後のバリバリ対策
http://seizo-net.com/2017/07/12/792/

第二弾
ラフト印刷の後、ワンクッション置いてみてはどうだろうか?
・ラフトのあと、ちょっと止めて、冷やしてみては?
・ラフトのあと、濡らしてみる。
・ラフトの面上に、何か貼る。


★まずは、G-code

こんな事をやってみます
ラフトの後に動作を加えるには、やっぱりG-code をいじるしかないですね
たぶん、オープンソースのスライサーであれば、出力された G-code はテキストエディタで編集可能だと思いますが、私のFlash Forge の Flash Print は通常のテキストエディタでは編集できません。ヘッダー部分のバイナリーデータ部分で何か処理しているみたい。
しょうがないので、Flash Print のデータを編集できるようなソフトはつくりました

FlashPrint エディター


もしかすると、他の3Dプリンターの専用スライサーも同様かもしれませんね
このソフトでFlash print で出力したG-code をみてみると、「;raft」のコメントが見つかりました。おそらくこの部分がラフトの部分だと推測できます



;layer:0.40
G1 Z.40 F400
;support-start
;raft
G1 X15.00 Y15.00 F4200
G1 X-15.00 Y15.00 E28.2778 F600

その上の行の、「G1 Z.40」で積層レイヤーの高さがわかります
ただ、ずっと下部の行をみていくと、「;raft」は数レイヤーにあってラフトの最後を探すのは結構面倒です。なので最新版の自作のソフトは文字キーで検索できるよう改造しています
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/business/se515894.html
検索文字キーを「raft」にして検索していくと、ラフトが終了して実際の製品部分に入る時には「;Shell」のコメントになっているのがわかりました



G1 X14.57 Y-14.80 E344.4879
;percent
;support-end
;layer:0.28
G1 Z1.28 F400
;shell
M106
G1 Z1.48
G1 E343.1879 F1800

したがって、この「;Shell」のレイヤーのZに上がる前までが、ラフトの部分だと思われます。ここに来たら、Z軸を退避させて、とりあえず止って待つようなG-codeを追加します。
そうすることで、プリンタはラフトの印刷が終わると、上に上がって止って待っている状態になるはずです。
一旦停止するG-codeは「G04」のコードです。これに、「P」+「停止時間(ミリ秒)」を負荷して指令します
たとえば、1分停止させたい場合は、「G04 P6000」となります
Z50.に逃げるコードとこのコードを「:Shell」のレイヤーの前に追加します

;layer:0.28
G1 Z50. F400
G04 P6000

G1 Z1.28 F400
;shell

これで、Shell に入る前に、Z50.位置へ退避した後、1分間停止します
ここで、プリンタ本体の「ポーズ」ボタンを押すと、私のFinder は一旦ホームポジションへ戻る動作をします。
この本体の「ポーズ」ボタンでの動作は、機種で違うかもしれません。
場合によっては、その場所で停止状態もままかもしれません。
この時点で、「何か!」すればいいです

まずは、そのまま、一時停止を続け、冷やしてみます




その後、本体の「スタート」ボタンを押すと、「ポーズ」を押した場所(Z50.の場所)に戻り
Z1.28 まで下がり、無事に印刷が始まりましたさぁ、冷やした効果は???
う~ん、気持ち剥がれやすくなったでしょうか?
あまり効果は感じませんでした

「ポーズ」したあと、一時停止で室温で冷やすでけでなく、ロフト上面をウェットティッシュで拭いてみました




ちょっつ濡れた状態になったので、どうなるのか心配でしたが、普通に印刷終了
その効果は?
う~ん、冷やすよりは剥がれやすくなった気もしますが、やっぱり、バリバリとなりますね
でも、何もしないよりは、効果はあると思います

今度は、「ポーズ」した後、ロフトの上に布製のガムテープを貼り付けてみました




果たして、ガムテープは210度の熱でどうなるか??
不安でしたがなんてことなくて、印刷終了



その効果は?
おぉっ、途中の反りもなく、つるんと剥がれました



こいつは、すごいです
気になる事といえば、一旦停止して、ガムテープを張ったりする間
フィラメントが若干、垂れ流し状態になり、再スタートしたときに
最初の部分に、垂れ流しのフィラメントが巻きついたりして、若干凸凹になります
ロフトの直後なので、製品では一番底になりますし、バリバリをやすりで削り取る事を考えると問題は少ないと思いますし、ぜんぜん綺麗です



それでも気になる場合には、停止する位置を、ロフトが終了した直後でなく
ロフトの印刷を少し残した位置にすれば、その垂れ流しは、残りのロフトに着くので
製品には付きにくくなるかもしれません
いずれにしても、ガムテープはかなり優れものです

 

っと実験をやってきて、ふと思った
G-code を編集して、ロフトの直後に細工してみたけど
もしかしてぇ~

次回に続く

設計・製造ソリューション展(DMS)で砂型積層3Dプリンターを見てきました

新しい3Dプリンターの展示

設計・製造ソリューション展(DMS) 2017では、HP社のボクセル形式3DプリンターJet Fusion、中型の高精度3DプリンターRAISEなど、様々な実務利用に向けた3Dプリンターが発表されていました。
ジェネレーティブデザイン、アディティブマニュファクチャリングが現実味を帯びてきています。
コストとスピードをクリアした時点で、製造業のあり方も大きく変わることになります。

インダストリー4.0というと壮大なテーマですが、これらの技術が一般的に利用できる時代に向けて、準備を始める時期に差し掛かってきているのではないでしょうか。

砂型積層3Dプリンター

今回は、その中でもかなり実用化が進んでいる「砂型積層3Dプリンター」について取り上げてみました。
簡単に説明すると、砂を積層造形方式で3Dプリントしていくのですが、製品との境界のみ硬化させ、中身の砂は未硬化で再利用できるシステムになっています。価格も9,000万円程度になっていますので、レーザー焼結と5軸加工の複合機(数億円)と比較して導入しやすい金額になってきていると言えます。

<SCM-800>

実際に約60kgの大型鋳物を製作する期間が、木型工法だと約1か月のところ、積層工法だと約3日、と最大工期短縮90%という驚くほどのメリットが出ています。

造形手順としては、「砂を敷き詰める」⇒「バインダを砂に噴射→造形テーブルが一層下がる」を繰り返す⇒「新たな層の造形の為砂を敷き詰める」といった工程になります。
鋳物で製作されている部品の代表例としては、インバーターケース、シリンダーヘッド、ターボチャージャー、シリンダーブロック、マニホールドなどが有名です。現在では、内部構造の高効率化で、内部設計データがかなり複雑になってきており、薄肉などの対応には砂型積層3Dプリンターが最適なパーツが増えてきています。
積層砂型といえばコイワイ様が有名ですが、展示物も半分ほどご提供されていました。

鋳物業界(製造業全体かもしれませんが)の現状としては、3Kと言われていますが、3Dプリンターの導入でかなりイメージが変わってきているようです。後継者不足の問題も、3Dデータ作成などのデジタルとの融合で、若者イメージも良くなってきているようです。

砂型積層3Dプリンターのメリットまとめ

◆マスター型が不要。3Dデータから直接造形可能
◆薄肉・高精度鋳造物の製作が可能になる
◆従来の木型、砂型反転工法でできなかった構造も製作可能になる
◆熟練の技術を3Dデータに置き換え可能
◆「3Dプリンター」で若者のイメージが良くなることで、後継者不足を解消!

型を3Dプリンターで製作することは、強度、品質において非常に重要なことだと感じています。砂型積層3Dプリンターが広がることで、熟練の技術をしっかりと受け継いでいけると良いですね!