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更新日:2017.11.28

InventorとFusion 360の違いをまとめてみました。

 セイゾウネットコラム

Fusion 360ってなんでそんなに安いの?今まであったInventorと何が違うの?という質問をよくもらうので、HL worksの草野さんに協力をもらい、Fusion 360とInventorの違いをまとめてみました。

Fusion 360についてもっと詳しく知りたい方はこちら

UI(画面デザインについて)

オートデスク社は、すべての製品においてユーザー インタフェースをできる限り統一しています。
したがって、リボンUI、右クリックによるマーキングメニュー、ViewCubeはすべてInventor、Fusion 360ともに共通化されています。
その中でも特にInventorとFusion 360は、機械設計向けの機能を擁しているので、コマンド名も一部例外はありますが、ほぼ同じ名称が採用されています。
アイコンも同じ絵が使われていることが多いので、どちらか一方を使ったことがあれば、簡単に使えると思います。
また、キーボードショートカットも同じものを使用できます。

スケッチ

基本的な作図機能については大きな差はありません。
Fusion 360には無いInventorの機能として以下のものがあります。
・点をインポート:Excelで指定したXY座標を点で表現できます。インポートした点を繋げてスプラインを作成できるので、あらかじめ決まっている曲線を表現できます。

・ACADファイル(DWG)の挿入:DWGファイルの図形を直接読み込むことができます。その際に、不要な線はインポートしないようにフィルタリングするオプションもあります。

ソリッドモデリング

Fusion 360とInventorほとんど同じ機能が付いています。
Fusion 360には無いInventorの機能として以下のものがあります。
・公差を3Dモデルに付与する:寸法に対して公差を設定できます。単に数値を追加するのではなく、できあがる3Dモデル自体の形状のサイズを中間値、上限値、または下限値に調整することが可能です。これにより、より詳細な干渉チェックや応力解析を行うことができます。

また、Inventorには完全な板金設計機能がついています。Fusion 360にも最近この機能が付きましたが、まだフル機能には至っていません。今後、同等の機能が搭載されると予想されます。

サーフェスモデリング(パッチ)

これはかなり違いがあり、Inventorの方に優位性があります。
Inventorの場合、まず「パッチ」という「環境」はありません。すべて「サーフェス」と表現し、ソリッド モデリングと同じ環境で作業をします。
操作方法は、基本的なフィーチャーである「押し出し」、「回転」、「スイープ」、「ロフト」についてはコマンド内で、ソリッドまたはサーフェスのどちらを作成するのかを選択します。

その他の作成方法としてInventorにのみ搭載されているコマンドは、「ルールド サーフェス」、「メッシュの面をフィット」があります。

ルールド サーフェス:選択したエッジから、指定した距離と方向に延長するサーフェスを作成する。

メッシュの面をフィット:メッシュ形状の指定した部分にフィットするサーフェスを作成する。

Tスプラインモデリング(スカルプト)

スカルプト機能はFusion 360とInventor、ほぼ同等の機能が搭載されています。

新規作成時と編集時に使用できるコマンドがFusion 360よりも限られており、作成機能だと「押し出し」、「回転」、「スイープ」、「ロフト」が、編集機能は「ベベルエッジ」、「プル」、「エッジをスライド」、「補間」、「フリーズ」がありません。

この機能については比較的ユーザー インタフェースが統一されていないので、どちらかのCADを使い慣れている方は最初に若干の違和感があるかもしれませんが、編集機能などはほぼ同じコマンドが揃っています。

アセンブリ

「アセンブリ」=「複数の部品を組み立てる機能」という意味ではどちらにもこの機能があり、コンポーネント同士の拘束には「ジョイント」を使用するという、基本的な機能は同じですが、データの扱い方が全く異なっています。
Fusion 360は、アセンブリも単体パーツもファイル形式は同一ですが、Inventorはアセンブリがiam、パーツがiptという異なるファイル形式を持ちます。したがってFusion 360で言うと、他のファイルを「現在のデザインに挿入」した状態での運用が必須となります。
部品点数が2000点以上を超えてくるとFusion360は重たくなってくるので、この点をInventorが優れています。その関連としてInventorには大規模アセンブリを軽量化して設計を進めることができる機能がいくつか搭載されています。
一時的に使用しないコンポーネントを消去したり、簡略化したコンポーネントと置き換えたりする機能があります。
また、部品同士の組み立てにおいて「溶接」を表現ができるようになっています。溶接の方法についても国際標準規格(ISOやJISなど)の規格に沿った溶接方法や材料選定の設定ができるようになっています。
さらにフレーム設計、配管設計(チューブ&パイプ)および配線設計(ケーブル&ハーネス)機能があり、完全なアセンブリを作成することができます。
また、同じAutodesk社製製品である「Moldflow」という射出成形シミュレーション ソフトウェアをアドインして使用できることから、アセンブリモデルを元にモールドベースを作成する機能も搭載されています。

その他、Inventorにのみ搭載されている機能として以下のものがあります。

◯モデリング全般
iPats および iAssemblyという機能があります。類似部品や類似アセンブリを作成する場合に1つの基準となるパーツやアセンブリを用意し、それに対しての差異を設定することで類似品をより素早く作成することができます。

◯アセンブリフィーチャー
アセンブリ内に存在するフィーチャーを作成することができます。どのコンポーネントにも依存しない、アセンブリのためだけのフィーチャーです。合わせ加工をするための穴を作成するような場合に便利です。

◯コンテンツ ライブラリ
標準部品や機械要素を、自動生成することができる機能です。既存のライブラリに存在しない独自のサイズの機械要素を設定したりできます。また、ボルト・ナットおよびワッシャーの組み合わせを指定し、配置する位置を決めると自動で下穴が生成され、ボルトの長さを相手に合わせて自動的に決定して配置する機能などもあります。

シミュレーション

Inventorのシミュレーション機能は、応力解析、ダイナミック シミュレーション、フレームの応力解析のみです。

Fusion 360の方が、計算の種類は豊富に揃っています。
ユーザー インタフェースはほぼ同等で、大きな違いはありません。
ただし、Inventorは「Product Design & Manufacturing Collection」というパッケージで購入すると、「Autodesk Nastran In-CAD」というシミュレーション ソフトウェアをInventorにアドインして使用することができます。このソフトウェアでは、熱伝導および熱応力解析、非線形解析、大変形解析、複合材解析、座屈解析、落下衝撃解析、周波数応答解析なども行うことができます。

図面

Inventorが圧倒的に優位です。
国際標準規格(ISO、JISなど)に完全に対応した図面を作成することができます。また、企業内でオリジナルの製図規格が設定されている場合でも、個別に設定を変えることができるのでほぼどのような変則的な規格にも対応可能です。
(例:矢印の形状、風船(バルーン)の形状、ハッチングの種類、溶接記号の記入方法など)
また、図面枠、表題欄、部品表のフォーマットなどはどの企業でもオリジナルのフォーマットを設定している場合がほとんどですが、これらすべてカスタマイズ可能です。
(例:オリジナルの図面枠を使用する、部品表に記入する項目を追加削除する、など)
図面内に記入する寸法は、3Dモデル内で追加した寸法(スケッチ寸法、押し出しの高さ寸法、フィレットの半径など)をそのまま再利用できるので、図面内で改めて寸法を追加する必要がありません。
また、Inventorは2次元図面上で寸法を変更することができます。変更は3Dモデルに反映されるので、図面操作中に修正すべき箇所を見つけた場合に都度3Dモデルを開く必要がありません。

CAM

InventorにはCAM機能が付いていませんが、Fusion360にはCAM機能が付いています。
こちらは大きな違いになります。
ただしInventorは「Product Design & Manufacturing Collection」というパッケージで購入すると、「Inventor HSM」という2.5軸から5軸まで対応のCAMソフトウェアをInventorにアドインして使用することができます。

データ管理

Fusion 360はクラウド上でデータを管理することができます。そのため、手軽にチーム内でのデータ共有がしやすいです。
Inventorは、ソフトウェアに同梱されているAutodesk Vaultというデータ管理ソフトウェアを使用してデータ管理をすることができます。このツールでは、プロジェクトごとにファイルを整理することができます。また、ファイルのバージョン管理、アセンブリ内で使用されているコンポーネントの検索、排他制御(誰かが編集している時に他の人は編集できないようにするなど、矛盾や衝突が発生しないようにする)などが可能です。

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